そりゃ「オリジン」の独り勝ちだわ…「ほっともっと」「ほか弁」 と明暗分かれた納得のワケPhoto:PIXTA

持ち帰り弁当専門店に逆風が吹いている。業界大手の「ほっかほっか亭」や「ほっともっと」が店舗数減少と売り上げ低迷に苦しむ中、着実に成長を続けるのがイオン傘下のオリジン東秀だ。 “オリジン独り勝ち”ともいえる現象はなぜ起きているのか。(フードコンサルタント 池田恵里)

オリジン東秀の「独り勝ち」のワケは?

 持ち帰り弁当専門店が軒並み店舗数を減少させ、売り上げもダウンする逆風にさらされている。

 かつて業界をけん引した「ほっかほっか亭」(ハークスレイ)の店舗数は、コロナ前の約900店舗規模から、2026年初頭には約2割も縮小し、780店前後になった。業界首位の「ほっともっと」(プレナス)も、2022年2月期の2488店舗から足元では2423店舗(2026年4月末時点)まで減少が続き、直近の月次売り上げも前年比97%台と苦戦を強いられている。 

 そんな中、じわじわと業績を伸ばしているのが、イオン傘下の「オリジン東秀」だ。2026年2月期の売上高は530億円に達した(店舗数は540店舗2026年2月末現在)。さらに「2026年度、600店・600億円体制」という成長戦略を突き進んでいる。

 そこで、なぜ今、中食業界でオリジン東秀の独り勝ちが起きているのか。その背景には、時代遅れとなりつつある「昭和の成功体験」からの脱却と、競合たちの死角を突く緻密な戦略があった。 

弁当専門店は無駄に待たされる?押し寄せる「即食」の波

 大手弁当チェーンが軒並み低迷している要因は明確だ。スーパー、ドラッグストア、コンビニが惣菜や弁当を日々ブラッシュアップしていく中で、かつて昭和の時代の最強の武器であった「ツーオーダー(注文を受けてから作る方法)」という提供方法が、現代の消費者ニーズと乖離し始めているのである。 

 いま中食業界を席巻しているキーワードは「即食」だ。 タイパ(タイムパフォーマンス)を極限まで求める現代の消費者は、店舗に立ち寄って「素材」を買うのではなく、すでに出来上がって売り場に並んでいる惣菜をすぐ買って帰るスタイルへとシフトしている。 

 従来、弁当専門店におけるツーオーダーは「出来立てをスピーディーに提供する」ものとされてきたが、今や消費者にとっては「無駄に待たされる時間」になりつつあるのだ。   

 実際、オリジン東秀の関係者からも「ツーオーダーの比率は減少傾向にある」との声が漏れる。ここに、従来の弁当専門店のビジネスモデルの限界が潜んでいる。