「頑張っているのに評価されない」「自分だけ仕事がうまくいかない」。そんな状態でも、「仕事とはつらいものだから」「自分の努力が足りないから」と耐え続けている人は少なくない。しかし、その苦しさは努力不足が原因とは限らない。不遇な職場なのに耐え続けてしまう人の特徴を、書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』から紹介しよう。

不遇な職場なのに「耐えている人」の共通点Photo: Adobe Stock

頑張っても評価されないのは「能力」のせいではない

僕は著書で、「カード思考」を紹介している。人が持つ性質や能力、経験などを「カード」として捉える方法だ。

そして、重要なのはカードそのものの強さだけではない。そのカードを活かせる環境にいるかどうかだ。

たとえば、「新しいアイデアを次々に出す」というカードを持っていても、決められた手順を正確に守ることが最優先の職場では評価されにくい。反対に、慎重にミスなく進めるカードを持つ人が、スピードと大胆な挑戦ばかり求められる会社に入れば苦戦する。

どちらも能力が低いわけではない。ただ、自分のカードと環境が噛み合っていないのである。

天才状態は「環境」とセットで決まる

自分のカードが環境とうまく噛み合い、自然と大きな力を発揮できている状態が「天才状態」だ。

同じ人でも、部署を異動しただけで急に活躍することがある。上司が変わっただけで仕事が楽しくなることもある。逆に、異動した途端に成果が出なくなることもある。本人の能力が突然変わったわけではない。環境が変わったのである。

だから、「今の職場で評価されない=自分は仕事ができない」と考えるのは早い。

不遇な人ほど「もっと頑張ろう」としてしまう

問題は、天才状態に入れていない人ほど、その原因を自分の努力不足だと考えてしまうことだ。

成果が出ないから、もっと働く。評価されないから、苦手なことをさらに頑張る。疲れていても、「ここで逃げたら負けだ」と耐える。

しかし、自分のカードと環境が根本的に噛み合っていないなら、努力量を増やしても状況はなかなか変わらない。むしろ、自分に向いていない戦い方を続けることで、「自分は能力がない」という思い込みだけが強くなってしまう。

「自分のベテラン」は耐える前に環境を見る

本書では、次の言葉を紹介している。

「自分のベテラン」になる

「自分のベテランになる」とは、自分がどんなカードを持っているのかを理解することだ。

例えば、評価基準、仕事内容、裁量、立場、上司、チームメンバー……こうした条件が変わるだけでも、自分の力の出方は大きく変わる。だから、今の職場がつらいときに考えるべきなのは、「どうすればもっと耐えられるか」だけではない。「この環境は、本当に自分が天才状態に入れる場所なのか」と考える必要がある。

不遇な職場なのに「耐えている人」の共通点は、自分と環境のミスマッチを、自分の能力不足だと思い込んでいることだ。もちろん、少し苦しいだけで職場を変える必要はない。しかし、努力しても、工夫しても、長いあいだ自分の力を発揮できていないなら、疑うべきは「自分のカード」だ。

天才状態は、自分一人ではつくれない。自分のカードと環境が噛み合って初めて生まれる。耐え続けるより、自分が自然と力を発揮できる場所を探すことも、「自分のベテラン」になるための大切な選択なのである。