SNS時代の今、有名人だけでなく一般の人も突然“炎上”や誹謗中傷の標的になることがある。そんな悪意にさらされたとき、人はどう自分の心を守ればいいのか。日韓累計45万部を突破したベストセラー『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』(キム・ダスル著、岡崎暢子訳)の発売を記念した本記事では、今一番読みたいエッセイを書くライターの柴田賢三氏に、「理不尽な批判や誹謗中傷との向き合い方」についてご寄稿いただいた。(企画:ダイヤモンド社書籍編集局)
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選手や監督への
誹謗中傷は“有名税”?
サッカーのワールドカップやオリンピックの時期になると、選手や指導者などに対する誹謗中傷が問題になる。
かつては“有名税”という考え方もあって、ほとんどスルーされてきた。表舞台で活躍する人や、日の丸を背負って戦うアスリートは、それなりに高額な報酬や名誉も得ているのだから、少しぐらい批判されるのは仕方がないという風潮だった。
ところが、SNS全盛の現代では、一般の人がつぶやいた一言でも大炎上することがある。私のような名もなきフリーライターが書いた原稿にも、批判が噴出することも珍しくない。
それだけ関心のある話題を提供し、多くの人がさまざまな感想を持ってくれた証拠だが、誹謗中傷がひどいと、さすがにヘコむ。悩んだ揚げ句、自ら命を絶つ人も増え、かなり減ってはきている印象だが、それでもネットを開くと罵詈雑言が目につくのだ。
誹謗中傷を投稿するのは
意外にも“身近な人”
“人生の指標”となる言葉の数々を収録している本、『人生は「気分」が10割』の中には、「安全圏から石を投げてくる人にはかまうな」という項目がある。
自分がミスして嫌われるのは理解できる。悪いのはこちらだから仕方ない。しかしときには、何の非がなくても嫌悪感をむき出しにしてくる連中がいるから理解に苦しむ。(中略)有名人がいわれのない誹謗中傷を浴びたりするのもこれと同じような構図だ。そういう卑怯なやつって案外身近なところにもいる。直接言うことができないから、安全圏から陰口をたたくのだ。
――『人生は「気分」が10割』(p.156)
著者のキム・ダスル氏は、「相手がひとりだけならまだマシだけど、人数が増すほど本当に自分が悪いんじゃないかと思い込むようになる」とも指摘しているが、まさにネットの誹謗中傷だ。
私は週刊誌の記者時代、実名で書いた「署名原稿」をネットで批判されたことがある。巨大掲示板のスレッドで、会ったこともない人たちに名指しでボコボコにされ、「日本中を敵に回してしまったんじゃないか」と思い込み、夜も眠れなくなった。
彼らの攻撃が数日続き、本格的に病みそうになったとき、こんな書き込みを見つけた。
《柴田は中卒、アル中、ド変態》と紹介してくれた上で、とてもここには書けないような罵詈雑言が並んでいたのだが、私についての記述が「詳しすぎる」のだ。
どうやら、私のことを知っている同業者、もしくは同じ編集部の人間が書いているようだった。そう気づいた途端、“得体の知れない化け物”が、陰でコソコソ逃げ回るかわいそうな濡れネズミのように思え、心の安定を取り戻すことができた。
こうなると、前述の私に関する“紹介文”も「中卒以外は間違ってない」と笑いが止まらなくなった。
(本稿は、『人生は「気分」が10割 最高の一日が一生続く106の習慣』の発売を記念したオリジナル記事です)
大学卒業後、複数の出版社や不動産会社での社員を経てフリーライターとして独立。週刊誌、月刊誌、WEBメディアなどで記者、編集者を経験した。事件、芸能、スポーツ、サブカルチャーまで幅広く取材に携わり、のちに新聞やテレビでも大きな話題になったスクープをモノにしたこともある。



