金融事業への参入を表明しただけでネットを騒然とさせてしまったタイミー 撮影=ダイヤモンド・ライフ編集部
タイミーの金融事業参入に「借金させて労働で返させる悪魔のシステムだ」とSNSが騒然としています。しかし、その懸念が実現したとして、本当に恐ろしいのは貧困のループだけではありません。生活費が不足するスキマバイト利用者と、法律の“致命的な欠陥”が組み合わさったとき、「本当の地獄」が始まります。(ノンフィクションライター 窪田順生)
金融事業の内容は
まだ発表されていないが…
「弱者から搾取するシステム」
「スキマバイト貧乏、流行りそう」
「お金がなくなったらタイミーで借りて、返済のためにタイミーで働いてね!って悪魔かよ」
そんな風にネット民たちから揶揄されているのは、「スキマバイト」でお馴染みのタイミーである。7月に金融事業を手掛ける子会社「タイミーフィナンシャル」を設立することが、一部から「カイジの地下帝国みたい」」などと指摘されているのだ。
Yahoo!、楽天、メルカリなど膨大なビッグデータを持つプラットフォーム企業が更なる「顧客の囲い込み」を目的に金融事業に参入することは珍しくない。というか「王道」の事業戦略だ。
登録者1400万人以上という「宝の山」を誇るスキマバイト仲介プラットフォーム企業ならば、このような展開は当然である。
しかも、状況を冷静に見れば、大手通信キャリアが主導する「巨大経済圏」の軍門に下っただけと言えなくもない。
今回、同社はタイミーフィナンシャル設立発表と同時に、NTTドコモ、住信SBIネット銀行と金融領域で協業するとも発表している。NTTドコモといえば2025年5月、住信SBIネット銀行を買収したことによって、3大キャリアの中で最後発で銀行参入を果たした通信キャリアとして知られる。
通信事業が頭打ちの中、金融事業が新たな活路になるということはかねて言われていた。auやソフトバンクは傘下に銀行を持ち、様々な金融サービスを展開して「経済圏」の拡大に勤しんでいる。「周回遅れ」のNTTドコモとしては、他の経済圏にはないビッグデータを持つ企業と協業して巻き返しを図りたいと考えるのは当然である。それがタイミーだったというだけだ。
しかも、現時点ではタイミーフィナンシャルがどのような金融サービスを提供するのかは明らかにされていない。にもかかわらず「搾取スキーム」などと非難されてしまうのはなんとも気の毒な話だ。だが、一方でタイミーが金融業に参入すると聞いた人々が「ざわ…ざわ…」とカイジ的世界を連想してしまうのも致し方がない部分がある。
スキマバイト利用者の中には「経済的困窮者」がかなり存在しているからだ。







