令和の子どもに不足している力とは?
「おはしを正しくもつ」「自分で歯を磨く」「整理整頓をする」「ありがとうを伝える」…など、小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを紹介した書籍『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』が発売された。
小学校入学準備にぴったり」「生活の基本でありながら、これまでどう教えればいいのかわからなかったので助かる」「一生使える知識やマナーが学べる」など多くの口コミが寄せられている。
本書では、生活のきほんや言葉づかい、心の守り方、学校での過ごし方まで子どもたちの毎日に欠かせないテーマを幅広く網羅している。本記事では、その中から親が教えておくべきおやくそくを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

「昭和の子ども」ができて、「令和の子ども」ができないことPhoto: Adobe Stock

一人のときに、助けを求められない

「うちの子、小学3年生ではじめて一人で公園に行ったんです」

あるママさんから、こんな話を聞いた。これまでは友達と一緒でも、必ず近くに親がいた。だが最近は行動範囲も広がり、「そろそろ一人でも大丈夫かな」と思って送り出したそうだ。

ところが、その日に思わぬ出来事があった。
遊具で遊んでいるときに転んでしまったそうだ。
頭から転んでしまったため、頬の辺りから血も出ていた。

周りには大人もいた。ベンチに座っている年配の方もいたし、小さな子どもを連れた保護者もいた。
だが、お子さんは誰にも気づいてもらうことができず、声をかけられなかったそうだ。

どうしたらいいかわからず、泣きながら家に帰ってきた。
傷が思ったより深そうだったため、そのまま病院へ連れて行ったそうだ。

幸い大きなケガではなかったが、お医者さんからは「かなり痛かったでしょうね」と言われたという。
家に帰ったあと、お母さんが事情を聞くと、お子さんは「知らない人に話しかけちゃダメだから」と答えたそうだ。

その話を聞いて、なるほどと思った。
今の子どもたちは、「知らない人についていかない」「知らない人に話しかけない」と繰り返し教えられている。

もちろん、とても大切なことだ。
だが、その一方で、「困ったときは大人に助けを求めていい」という経験は、昔より少なくなっているのかもしれない。

今回の場合、公園にはほかの子どもを見守っている保護者もいた。
そうした大人に「転んでしまったんです」「お母さんが見つからないんです」と声をかけることができれば、もっと早く助けてもらえただろう。

もちろん、誰にでもついていけばいいわけではない。
もし危険を感じたらその場を離れることも大切だ。

だからこそ必要なのは、「知らない人を避けること」だけではなく、「頼っていい大人を見分け、助けを求める力」なのかもしれない。

困っていることを伝える練習をしよう

小学校入学前後に知っておきたい93のおやくそくを学べる本まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』には、「こまっていることをつたえられるようになろう」という項目がある。

「昭和の子ども」ができて、「令和の子ども」ができないこと『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用
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・「よく わかりません。 もういちど せつめい してください。」
・「おなかが いたいです。 ほけんしつに いっても いいですか?」

・「トイレに いきたいです。」
・「ひとりだと むずかしいです。 てつだって ほしいです。」

(『まいにちがたのしくなるおやくそく できるかな?』より引用)

困ったときに助けを求められることは、生きていくうえで大切な力だ。

昭和の子どもたちは、近所の大人やお店の人など、家族以外の大人と関わる機会が多く、自然と「困ったら相談する」経験を積んでいた。
一方で令和の子どもたちは、「知らない人に話しかけない」と教わる機会が増えている。

もちろん、それは大切なことだ。
だからこそ今は、「困ったときは信頼できる大人に助けを求めていい」ということも、意識して教えていきたい。