低年齢からのスマホ習慣や、タブレットの学習への導入などで、ここ数年で「子どものノートを書く力が落ちている」と中学受験専門のプロ家庭教師・安浪京子先生は指摘します。特に、算数では、計算、式、線分図、図形、など頭の中を整理して適切にアウトプットする機会が多いもの。きれいに書かないとミスにつながる可能性もあります。ここでは、安浪京子先生の著書『中学受験 必勝ノート術』の中から、子どもがちゃんと図形の性質を理解し、適切な図を書けているのかチェックする方法をお伝えします。
安浪京子著『中学受験 必勝ノート術』より拡大画像表示
図の書き方、子どもは意外に知らない!
中学受験の算数では、問題文に書かれている図を眺めるだけでなく、自分で図を描いて考える力も必要です。
ところが、図形問題が苦手な子のなかには、そもそも正方形や立方体を正しく描けていないケースがあります。また、図を書きやすい順番がありますが、それを知らずに書いているケースも意外と多いです。
まず、お子さんに「正方形をフリーハンドで描いてみて」と言ってみましょう。(冒頭画像のレベル1)
ここで確認したいのは、線がまっすぐか、見た目がきれいかということではありません。
正方形の4辺の長さがほぼ等しく、向かい合う辺が平行で、4つの角が直角になっているかどうかです。
たとえば、横長や縦長の四角形になっていたり、台形のように辺が傾いていたりする場合、正方形の性質を十分に意識せず、なんとなく「四角い形」を描いている可能性があります。
また、線を一気に引き、途中で方向を変えながら一筆書きのように正方形を描く子もいます。しかし正方形は、4本の直線が4つの頂点でつながってできる図形です。1本ずつ線を引き、辺と頂点を意識して描くことが大切です。
正方形が描けたら、次は立方体に挑戦させます。(冒頭画像のレベル2)
初級編では、最初に正方形を1つ描き、同じくらいの大きさの正方形を右上に少しずらして描きます。そして、それぞれの正方形の対応する頂点同士を結びます。
慣れてきたら、正方形を描いたあと、その上に平行四辺形を描き、長さや角度に注意しながら残りの辺をつなげます。内部に隠れている辺は点線にすると、立方体らしく見えるでしょう。
立方体は、「正方形の紙が奥に向かって何枚も重なっている」とイメージすると、構造を理解しやすくなります。大切なのは、立方体を記号のように丸暗記して描くのではなく、どの辺とどの辺が平行なのか、どの頂点同士がつながっているのかを考えながら図にできること。
図がうまく描けないからといって、定規で正確に描かせる必要はありません。むしろフリーハンドで描くからこそ、子どもが図形の性質を理解しているかが見えてきます。図形問題の演習を増やす前に、まずは「正方形を描いてみて」と声をかけてみてください。
*本記事は、『中学受験 必勝ノート術』から、抜粋・編集したものです。



