スーパーやネットには、岩塩やピンク色の塩、特定の産地の塩など、さまざまな種類の塩が並んでいる。値段も色も味も違うこれらの塩は、栄養学的にも違いがあるのだろうか。
塩の種類は驚くほど多く、選ぶのも一苦労だ
普段使う塩を買おうとスーパーやネットを見ると、
精製塩のほかに、どこかの山の岩塩、特定の海や湖から採れた塩など、
驚くほど多くの種類が並んでいる。
色も真っ白なものから黒っぽいもの、ピンク色のものまで多種多様で、
味も値段もそれぞれ微妙に異なっている。
こうした塩の違いは、見た目や価格からも一見明らかに感じられる。
高価な塩には、それだけの価値があるように思えてしまうのも自然なことだろう。
しかし、その違いがどこから来ているのかを正しく知っている人は、案外少ないかもしれない。
違いの正体は「微量の混入物」にある
スーパーやネットではいろいろな塩が売られています。精製塩と呼ばれている塩だけでなく、どこそこ山の岩塩とか、△△海や、××湖の塩などがたくさんあり、選ぶのに困りますよね。
色もまっ白のものから黒っぽいもの、ピンク色をしたものなど多種多様で、味もすべて微妙に違うようです。値段にも幅があります。
「塩」の主成分は塩化ナトリウムですが、これらの食用塩には塩化ナトリウム以外の成分、たとえばマグネシウム・カルシウム・カリウム、さらには鉄や硫黄などが少量混ざっており、その混入物の種類や量によって味や色の違いが出てきます。
さて、これらの塩は、味は大きく違いますが、栄養学的な違いはあるのでしょうか? 実はまったくありません。栄養学的にはすべて同じ「塩」です。
なぜなら、家庭で調理に使用する塩の量は微々たるものであり、その微々たる量に含まれる混入物の量など無視できるからです。
よって、料理の味のために塩にこだわるのは意味がありますが、健康のためにこだわるのは無意味です。
塩の主成分は塩化ナトリウムだが、それ以外にもマグネシウムやカルシウム、カリウム、鉄、硫黄といった成分が少量含まれている。
この混入物の種類や量の違いが、塩の色や味の違いとして現れているという。
つまり、見た目や風味の差は、確かに科学的な根拠のある違いだ。
しかし、その混入物の量について考えてみると、家庭で実際に調理に使われる塩の量自体が、もともと少量に過ぎない。
さらにその中に含まれるマグネシウムやカルシウムなどの微量成分は、無視できる量
とされている。
栄養学的に見れば、岩塩であっても、湖の塩であっても、精製塩であっても、健康への影響に違いは生じないということになる。
「味のため」と「健康のため」を、分けて考える
この話から導かれる結論はシンプルだ。
塩の種類によって味や香りが変わるのは事実であり、
料理をおいしく仕上げたいという理由で塩を選ぶことには、十分な意味がある。
好みの味わいや料理との相性を考えて塩を使い分けることは、食事を楽しむうえで価値のある工夫だ。
一方で、「この塩は体にいいから」という理由で高価な塩を選ぶことには、栄養学的な根拠はないということになる。
健康面で気をつけるべきは、塩の種類ではなく、塩そのものの摂取量だ。
塩分の摂りすぎが気になる場合は、どの種類の塩を選ぶかよりも、
一日の使用量や、加工食品からの塩分摂取量を見直すことの方が、はるかに重要になる。
今日から試すなら、塩を選ぶときは「味の好み」で選び、健康面が気になるなら「使う量」を意識することだけでいい。
(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)
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基本となる知識と具体的な食事術を学ぶことで「健康法」迷子から抜け出し、食事によって人生が変わる1冊です。
主要目次
第1章 まず知るべき「栄養と食品」の基本
栄養バランスは毎日考えなくていい─「1週間」でつじつまが合えばOK
「完全栄養食」を信じるな─「これだけを食べれば大丈夫」などありえない
トクホと「健康食品」はまったくの別物─機能性食品の違いをおさえる
第2章 「病気と栄養」の危ない関係
ジュースが危ない本当の理由─果糖とブドウ糖はヤバすぎる
「体にいい油」も要注意─変性すれば、すべて悪玉
「コーラで歯が溶ける」は本当─リン酸の強さとその代償
第3章 栄養学的に「ヤバい」食習慣
ファストフードで地雷を踏むな─シェイクのヤバさを知る
黒烏龍茶でチャラにはならない─「焼け石に水」で食べ過ぎを招く
プロテインが逆効果になる?─肝臓・腎臓が酷使される理由
第4章 頭が悪くなる「脳をダメにする」食事
ビタミン不足は静かに脳を鈍らせる─頭が悪くなる仕組み
「カルシウム不足でイライラする」のは本当か?─科学的根拠はない
「コーヒーを飲まないと頭が回らない」は危険信号─カフェイン依存のリスク
第5章 「体によさそう」に惑わされないための知識
野菜ジュースで「野菜」は摂れない─ビタミンCも食物繊維も抜けている
「グルテンフリー神話」に惑わされるな─アレルギーがなければ無視していい
サプリメントは買わなくていい─価格も品質も信用できない
第6章 「食べないほうがいい」食品の誤解を解く
コレステロールは敵ではない─体の必須成分と動脈硬化の関係
「白米を食べると太りやすい」のはなぜか─長所と短所を理解する
「うま味調味料=危険」は思い込み─グルタミン酸ナトリウムの正体
第7章 誰でもすぐに実践できる「栄養学的な食習慣」
チェーン店で健康的に食べる方法─最強はリンガーハットの「ちゃんぽん」
パフォーマンスを上げるには「お酢」を飲む─最速でシャキッとする
「腸活」ブームが見落としているもの─腸内細菌は大腸にいる
第8章 「体調と体質を改善する」食事術
風邪をひいたらホットジュースを飲む─「ダイダイ湯」「生姜湯」がいい
食べるべき食品ベスト1は「納豆」─ビタミンKが爆増する発酵の力
「なんとなく不調」なときは食べものを疑う─5つの食事リセット術
第9章 「ストレスから体と心を守る」食事術
老化と病気は抗酸化物質で防ぐ─「ポリフェノールたっぷり」に騙されない
「おいしく・安く・栄養豊富」な旬の食材を選ぶ─無駄にお金をかけなくていい
強いストレスには「動物性たんぱく質」と「ハーブティー」─メンタルを整える食事
第10章 「やせながら元気になる」栄養学的ダイエット術
「2日で1.5kg」は誰でもやせられる─大切なのは継続できるかどうか
リバウンドを防ぐための小さな工夫─体だけではなく「心の健康」を維持する
「体脂肪率」に振り回されるな─大切なのは「経過」を追うこと
第11章 「健康なまま長生き」するための食事術
「空腹は最強のクスリ」は本当か?─実践してわかった長所と短所
40歳から筋肉は勝手に減り続ける─寝たきり回避には「たんぱく質」が必須
発がん性物質を避けるには「焼く」よりも「煮る」─肉はマリネがおすすめ