毎日45分ほどまとめて散歩している人は多いだろう。しかし、その同じ時間をどう配分するかによって、血糖値への影響が変わってくるという研究結果がある。

【医師が教える】「健康のために散歩している人」が注意すべきことPhoto: Adobe Stock

同じ45分間でも、歩き方によって結果が変わる

健康のために散歩を習慣にしている人は少なくない。
多くの場合、空いた時間にまとめて長く歩くというスタイルを取っているのではないだろうか。
しかし、歩く時間の合計が同じであっても、
どのタイミングで歩くかによって、体への影響に差が出ることが研究で示されている。

米国で行われたある実験では、
毎食後30分のタイミングで15分間ずつ、1日3回歩く方法と、
食事と食事の間の空腹時に、まとめて45分間1回だけ歩く方法とで、
食後の血糖値の変化を比較している。
歩く時間の総計は、どちらも45分間で同じだ。

分けて歩く方が、血糖値の上昇を抑えやすい

米国の研究ですが、毎食30分後に15分間(1日3回)歩くのと、食間の空腹時に45分間を1回歩くのとで食後の血糖値を比べた実験です。
どちらも歩く時間の総計は45分間です。結果は、食後に15分ずつ歩く方が、食間にまとめて45分歩くよりも食後の血糖値が下がりました。
健康のために散歩の習慣がある人は、1回長時間の散歩よりも、毎食後に短時間散歩する方が、血糖値にはいいようです。
ただし、個人差が非常に大きいので、消化作業をあまりじゃましない程度の、自分に合った適切な種類・量・方法を選ぶ必要があります。
散歩がおっくうな人は、室内でできるストレッチやラジオ体操などの運動でもいいでしょう。糖尿病患者の血糖値に対しては、ストレッチは筋トレとほぼ同等の効果があります。

実験の結果、食後に15分ずつ3回に分けて歩く方法の方が、
食間にまとめて45分間歩く方法よりも、食後の血糖値の下がり方が良好だったという。
歩く時間の合計は変わらないにもかかわらず、
タイミングを分けることで、より効果的に血糖値の上昇を抑えられたということになる。

この結果を踏まえると、健康のために散歩を習慣にしている人にとっては、
1回にまとめて長時間歩くよりも、毎食後に短時間ずつ歩く方が、
血糖値の管理という点では理にかなっていると言えそうだ。
ただし、こうした効果には個人差が大きく影響するため、
消化の働きを妨げすぎない範囲で、自分に合った種類・量・方法を選ぶことが大切になる。

散歩が難しい場合の選択肢もある

散歩をする時間や気力が持てない人には、別の選択肢もある。
室内でできるストレッチやラジオ体操といった軽い運動でも、十分な効果が期待できるという。
特に、糖尿病患者の血糖値に対しては、
ストレッチが筋トレとほぼ同等の効果を持つことが示されている。

これは、激しい運動でなくても、体を軽く動かすこと自体に意味があるということを示している。
食後の運動を取り入れたいと考えている人は、
散歩にこだわらず、自分の生活スタイルに合わせて、
無理なく続けられる方法を選ぶことが、長く習慣化するためのポイントになるだろう。

今日から試すなら、食後にまとめて長時間歩く代わりに、各食事の後に短時間だけ体を動かしてみることだけでいい。

(本記事は、書籍『医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)