ドナルド・トランプ米大統領が最も避けたいのは、消費者の懐にさらなる打撃を与えることだ。だが、アップルが値上げを決定した背景にあるメモリーチップ不足を迅速に解消するために、政策担当者にできることはほとんどない。メモリーおよびストレージチップを製造する企業は一握りしかなく、新工場の建設には数年を要する。サムスン電子、SKハイニックス、マイクロン・テクノロジーの3社が、DRAMとも呼ばれるメモリーチップ事業を支配している。各社は急成長する人工知能(AI)向けに生産能力の大半を充てており、消費者向けテクノロジー企業を圧迫している。米連邦議会は、半導体製造を国内で拡大するために数百億ドルの補助金と税控除を承認した。マイクロンがアイダホ州ボイシとニューヨーク州シラキュース近郊のクレイで建設中のメモリーチップ工場も含まれる。問題は、アイダホ州の新工場のうち最初の工場が稼働するのは来年半ばになる見込みで、ニューヨーク州の工場は2030年まで生産を開始しないことだ。