「売らずに持つだけ」で配当収入が勝手に増える。年配当1130万円でサイドFIREを叶えた銘柄の育て方Image:AI Generated/Gemini

配当カブさんは、2018年秋から投資を始め、いろいろ試した結果、日本の高配当株+米国・世界株インデックス投資に落ち着いた。現在、年間配当は1130万円(税引前)あり、これがサイドFIREというゆとりをもたらしたという。なぜインデックス投資から日本の高配当株へ軸足を移したのか。銘柄選びの基準と、増配の恩恵を受ける考え方を聞いた。(須賀彩子、ダイヤモンド・ザイ編集部)

配当カブさん:Xアカウント@investor00002

 配当カブさんは、コンサルタント業の個人事業主。年収は高いが、一方で仕事は不安定。しかも高所得になるほど税負担が重く、手取りは思ったほど残らないのが悩みだった。

「労働収入だけではなく、複数の収入源を持ちたい」と思うようになり、2018年から投資を始めた。まずは山崎元さんの本などを読み、日本のTOPIXと米国のS&P500に連動するインデックス型の投資信託に投資した。

 当時の貯金は数千万円あり、そのうち約500万円を投資に回した。ところが、間もなくして2018年末のクリスマスショックで株価の暴落を経験、人生初の大きな含み損を抱えた。そこから2019年の回復局面で、TOPIXは戻りが鈍かったため「日本株は弱い」と判断。TOPIXは売却し、米国株中心へと軸足を移していった。

米国のS&P500が強いが、
生活は楽にならず

 2019年には、米国の高配当株にも関心を持ち、VYM、HDV、SPYDなどの米国ETFを購入。配当金が入ってくる魅力を覚えたが、なかなか元本は増えなかった。成長力ではS&P500のほうが強いことを実感し、S&P500や全世界株に連動するETFが主力に。そして2020年のコロナショックや、2022年の軟調相場も売らずに耐え抜いた。

 順調に資産は増えたが、仕事に追われる多忙な日々は変わらなかった。インデックス投資は、老後資金づくりには向いている。長期で積立てて保有し続ければ含み益は増えていく。ただし、売却しなければ現金にはならない。

「中年期に差し掛かり、ハードな働き方がいつまで続けられるかという不安がありました。それでも仕事のペースは落とせませんでした」

 そこで次に目を付けたのが、日本の高配当株。配当収入という定期的なキャッシュフローが見込める。これまでにいろんな投資を試したが、「自分にはトレードは向いていないと悟りました。高配当株投資なら、投資する最初にしっかり調べれば、あとは長期保有でいい点が自分には合うと感じました」

 2021年からは本格的に高配当株への投資を開始、当時割安だった丸紅、三菱商事、INPEXなどを購入した。初年度は年10万~20万円くらいの配当収入を得た。さらに新NISAのスタートや東証改革で、日本の大型割安株ブームが到来したこともあり、思いのほか株価が上昇した。

「配当金は入ってくるし、含み益もどんどん増える。これは面白いと次々と買い増していきました。生活費の足しにしたかったので、月20万円つまり年240万円の配当収入を目標にしました」

 配当金も再投資しながら、高配当株への投資を加速。個人事業主という年収の高さもあり、累計入金額は約1億7000万円に。わずか5年で評価額は約3億3000万円になり、そこから得られる配当収入は年1130万円になった。

増配の恩恵で、全体で取得価格に
対する配当利回りは6.5%に

 配当カブさんの投資スタイルは、長期保有が基本。配当利回り4%程度の株を中心に買い集めたが、これまでに増配の恩恵を受けて、ポートフォリオ全体で取得価格に対する配当利回りは約6.5%にまで高まっている。

 2021年に投資した三菱商事や丸紅は、取得価格に対する配当利回りは今では13%程度。地銀株の中にも10%を超える銘柄がいくつかある。保有株の中でも最も高いダイダンは約26%にもなる。

 その配当カブさんに、投資手法を教えてもらった。