結婚もしかり、昇進なども、周囲からは喜ばしい状況と思われても本人にとっては多大なストレスです。
社会心理的なストレス要因を尺度化した有名な「ホームズの社会的再適応評価尺度」(注1)においても、「結婚」は、親族の死、個人のケガや病気の次に大きいストレス指標となっています。
結婚に対する恐れや不安も出てくるでしょうし、付き合ううちに相手が思ったような人間ではなかったということが見えてくることもあるでしょう。マリッジブルーが起きないほうが不自然では、と思われるくらいです。
恋人のシャツの匂いが
ストレスを減少させる?
ところで、結婚をすると、その後、長い時間を過ごしていくことになります。パートナーシップそのものを脳科学の立場から研究したエビデンスなどはあるのでしょうか。見ていきましょう。
まず、「パートナーのシャツの匂いを嗅ぐとストレスホルモンのレベルが下がる」というカナダのブリティッシュコロンビア大学で行われた研究があります。
96組の異性カップルが対象となり、男性被験者は24時間Tシャツを着用し、体臭が保存されました。
その後、96人の女性が「恋人の香り」、「見知らぬ男性の香り」、「中性的な香り」のいずれか1つを嗅ぐように割り当てられ、模擬面接や暗算といった急性ストレス因子にさらされるという実験が行われたのです。
その結果、パートナーの香りを嗅いだ女性では、知覚するストレスが減少し、見知らぬ人の香りを嗅いだ女性はストレスホルモンと呼ばれる血中コルチゾールレベルが上昇しました。
パートナーと仲良しでいると、その匂いを嗅ぐだけで安心できるということです。
(注1)米国のトーマス・H・ホームズとリチャード・H・ラーエが開発したストレス測定法の1つ。ストレスに対して再適応に要するエネルギー量を評価、ストレスの程度を点数で示す。







