周囲からのプレッシャーに身構えるスーツ姿の男性写真はイメージです Photo:PIXTA

部長や本部長でありながら、本来は課長が担うべき実務や現場対応に追われ、組織づくりに十分な時間を割けない管理職を指す造語「大課長」。現場では優秀だったはずの彼らが「大課長」になってしまう背景には、日本企業に根づく組織風土も関係しているという。※本稿は、リデザインワーク代表の林 宏昌『上司はリスクばかりを指摘する 会社を潰す「大課長」問題』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。

本来は部下に頼むべき業務を
任せられない管理職……

 会社の全体会議で使用するためのプレゼン資料が必要になったとき、本来はこんな実務は部下に任せるべきところですが、自ら時間をかけて資料作成に勤しむようなタイプがいます。何にでも手を出したがる性格であったり、できる限り周囲とうまくやりたいと考えていたり、理由を掘り下げるとさまざまな違いがあるかもしれません。しかし、人に任せるということも、重要な管理職業務の一つなのです。

■現場が好き

「素早く動いてきたことが評価されて、今がある。現場での機動力こそが自分の強みだ」と考えて、その点で自分の価値を発揮しようとしている人もいるでしょう。しかし一般社員と管理職の業務は連続的なものではなく、部長・本部長になったら、それまでとはまったく違うスキルで役割を果たす必要があります。そのことを認識せず、現場時代の自己評価を引きずっていることもまた、管理職業務からの逸脱だと言えます。このタイプは消極的な「大課長」とは違って、やる気があるだけになかなか厄介です。