そんなとき、フラストレーションを溜めていると態度に出て、「あの人はいつも文句や不満ばかり言っている」ということになり、リーダーから煙たがられるだけになるかもしれません。

 ですから、自分の担当のお客様には、精一杯満足していただけるように接するのです。

「一隅を照らす」という姿勢で臨み、自分のできる範囲内で最善を尽くすことを考える。

 会社に対して同じような疑問を持っている人たちが集まれば、何か新しいムーブメントを起こせるかもしれません。いろいろな可能性が、出てくると思います。きちんと見てくれている人は必ずいます。

 もちろん、法律や会社の規則に反するときなど、言うべきときには大きな声を上げないといけません。

 私は日産自動車時代、人一倍愛社精神があり、日産を良くしたいという思いを、強く持っていました。

 戦後初めて赤字になった日産を改革しようと、社内改革組織である「脱兎倶楽部」(だっとくらぶ)を創設したりもしました。

 すると、部署はまったく違うのに、「岩田、頑張れよ」と声をかけてくれたり、「○○部長に相談に行くといいよ」などとアドバイスをくれたりする人が出てきました。

 社内を見渡せば、「この人は」という人はいるものです。そういう人は、ちゃんと見てくれている。私はそのときに思いました。

 会社を変えたいといっても、社長のように権限を持っているわけではありません。簡単には社内を改革することはできません。若手の自分にできることは限られています。

 ならば、自分の担当しているお客様には、こういうサービスをしよう。自分の後輩はこんな育て方をしよう。自分のできる小さなところから始め、仲間を募って運動を大きくして、会社を変えていけばいいのです。

「不平」と「意見」を
履き違えてはいけない

 自分の発言に対して、リーダーが嫌そうな顔をするときがあります。それは「不平」と取られているからです。

「不平」と「意見」は違う、ということです。