成功体験にこだわり過ぎると
失ってしまうものとは

 だからこそ、うまくいったら「運が良かった」、うまくいかなかったら「自分の努力が足りなかった」という思考回路を持つことが大切です。

「先輩たちのおかげで」「たまたまタイミングが良かったから」「部下が手伝ってくれたから」……。まわりに感謝する謙虚さがある人は、やっぱり伸びていきます。

 逆に、成功体験に溺れて変な自信を持った人は、次にうまくいかなかったときに、ついつい環境のせい、部下のせい、お客様のせいにしてしまいます。自分自身に向き合えないのです。

 楽して成功すると、これがまた続くと思ってしまうのです。しかし、ラッキーは続かないものです。そしてそれでは、自分の中に何ら経験は蓄積されていきません。

 同じ結果が出たとしても、努力して出た結果と、たまたま運良く出た結果とでは、意味が大きく違うのです。

 うまくいったとき、そのプロセスを振り返って、額に汗して得た結果なのか、それともラッキーだったのか、自分で理解しておかないといけません。

『新版「君にまかせたい」と言われる人になる51の考え方』書影新版「君にまかせたい」と言われる人になる51の考え方』(岩田松雄著、サンマーク出版)

 ラッキーは二度とないのです。

 しかし、汗を流すことは何度でもできます。そして、経験やスキルが身につき、自信につながっていきます。それでも同じやり方がずっと通用するわけではありません。これこそが、「成功体験の落とし穴」です。

 なぜなら、環境は常に変わっていくからです。自分が置かれている立場も変わり、うまくいっていたことも、次はうまくいかなくなる可能性があります。

 安直な成功のノウハウやテクニックを記した書籍も売られていますが、少し本を読んだくらいでうまくいくような仕事は少ないと思います。

 小手先のハウツーではなくて、きちんと経験を積んで、苦しみながら自ら体験する。そうしなければ、得られないものがあると、私は思います。