「最近なんだかしんどい」
「理由はわからないけれど気持ちが晴れない」
そんなとき、多くの人は自分の心の状態を理解しようとします。
しかし、心は目に見えないため、自分でも何が起きているのかわからなくなりがちです。
京都で人気の鍼灸師・すきさん(鋤柄誉啓さん)は、そんなときこそ心ではなく体を見ることが大切だと言います。なかでも、ストレスや不安、悩みの状態を知るヒントが隠されているのが、毎日誰でも簡単に触れられる「ある場所」です。
心が疲れたとき、真っ先に触ってみたい体の部位とは何でしょうか。(構成/ライター小川晶子)
Photo: Adobe Stock
おなかとメンタルは通じている?
一年近くメンタルが落ちている時期があり、何をしても明るい気持ちになれなかった。
なんとかしなければともがくが、もがくほど溺れて沈んでいくような感じだった。
当時は常になんとなく体調も悪かったが、とくにおなかの調子がずっと悪かった。
朝からおなかが痛い感じがして、よくさすっていた(病院に行っても原因はよくわからなかった)。
おなかとメンタルは通じているのかもなぁ…と思ったことを覚えている。
おなかを触るとわかること
東洋医学の見地から体を整えて「心の不調」をラクにするヒントが書かれている『メンタル養生』という本がある。
著者のすきさんは、心の場所は「おなか」にあると考えているそうだ。
面白いことに、おなかの様子を知ることによって、内臓の不調はもちろんのこと、イライラと怒りやすい、モヤモヤと悩みがち、ソワソワと不安を感じやすいといったメンタル面の不調の傾向もわかるという。
おなかなんて「いつでも誰でも変わらず、やわらかいものでしょ?」と思ってしまうが、そのときの心の調子によって硬すぎたり、やわらかすぎたりするらしい。
頻繁におなかに触れているとわかるようになるのだろう。
「メンタル養生」というセルフケア
見えない・さわれない心に対して直接働きかけようとするのではなく、体のほうからアプローチすることを提案しているのが本書の大きな特徴だ。
東洋医学の「養生」にもとづき、心と体の観察法とお手当ての技術を自分で実践できるように再構成した「メンタル養生」が紹介されている。
そのなかで、「おなかに手を当てる」のは基本のメンタル養生である。
まずは両手を合わせてあたたかい「良い手」をつくり、その手をおなかに当てる。
1 手のひら全体をおなかに密着させるように置く。
2 力を抜き、手の重みだけを感じるようにする。ラクに呼吸をしながら、続ける。
――『メンタル養生』(P.100)
基本的には素肌に直接がよいらしいが、服の上からでもOKとのこと。
本書には「みぞおち」「おへその上」「下腹部」と3つのエリアに分けて、それぞれの「お手当て」の方法が詳しく書かれている。
最低限覚えておくといいのは、次の養生法だという。
・悩みがちなときは、おへその上に手を当てる
・不安なときは、下腹部に手を当てる
――『メンタル養生』(P.109)
少しずつ続けてみれば、心と体の声に気づきやすくなりそうだ。
おなかに手を当てて心を整える「メンタル養生」、ぜひ実践したいと思う。





