疲れているのに、つい頑張ってしまう。
本当はひとりで静かに過ごしたいのに、人と会えば笑顔で会話を盛り上げる。
気力が残っていない日でも、「感じが悪いと思われたくない」と無理をしてしまう。
こうした行動は、優しさや責任感の表れかもしれません。
しかし東洋医学では、心身が弱っているときには逆効果になることがあると考えます。京都で人気の鍼灸師・すきさん(鋤柄誉啓さん)がすすめるのは、「頑張ること」ではなく「やめること」。真面目な人ほど無意識に続けている、見直したい習慣とは何でしょうか。(構成/ライター小川晶子)
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全然話が盛り上がらない
日中面白いことがあったので夜に夫に話そうと思っていたのに、いざ夜になると気が乗らないことがある。
疲れてしまったのか、声を出すのがおっくうだ。
それでもサービス精神を発揮して話し始めると、あれ…?
私 「今日こんなことがあってさ」
夫 「ふうん」
全然盛り上がらない。
それどころか「それがどうしたの?」などと言われてカチンとくる始末だ。
「話さなきゃ良かった!」と後悔することを何度か繰り返し、だんだん「イマイチ話す気が起こらない日はやめておこう」と思うようになった。
話の内容がいかに面白くても、話し手が何となくダルそうだと、聞いているほうは面白く感じられないのだろう。
逆に、たいしたことのない話でもノッているときは楽しい会話になる。
「やめる」のも大切
『メンタル養生』には、東洋医学の知恵をいかしながら、体を整えて心をラクにする方法がたくさん紹介されている。
最後の章にあるのは、「気」の消耗を防ぐための「やめる養生」。
いつもなら大丈夫なことも、ちょっと心が弱っているときは「やめる」ことで養生になる。
「長話をやめる」のもそのひとつだ。
人と話して元気になることも多いが、逆に消耗することもある。
そもそも「気」が不足しているときは、話す気が起こらないものなのである。
そういうときに無理にたくさん話すと、呼気が増えて余計に「気」が消耗し、いっそう疲れます。
――『メンタル養生』(P.217)
多少疲れていても、いつも通りに過ごすべき、楽しそうに話すべき…と思っていたが、逆効果だったようだ。実際、まったくうまくいかなかった。
私と同じように、真面目な優しい人(!)は「いつも通り笑顔でいなきゃ」「相手を楽しませなきゃ」と思うかもしれないが、「気」が不足しているときは、それらを「やめる」のも大切なのである。
そのほか、本書には「挨拶や人と会うのをやめる」「目を合わせるのをやめる」「正面に座るのをやめる」「愛想笑いをやめる」など、コミュニケーションの中の「やめる養生」が解説されている。
「気」が不足しているときは頑張って何とかしようとするのではなく、「今日はやめておこう」と思うことができれば、自然とまた元気が戻ってくるはずだ。





