参院予算委員会で答弁する高市早苗首相=6月22日 Photo:JIJI
実質賃金低迷は潜在成長率低下のため
1985年は4%を超えていたが直近は0.7%未満
直近公表の4月毎月勤労統計調査(速報値)によると、消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合)の変動を差し引いた日本の実質賃金は、対前年比1.9%増と、4カ月連続のプラスとなった。
しかしこれは、本コラム『実質賃金「3カ月連続プラス化」は“ガソリン補助金”の貢献、財政負担増大の種はまだある』(2026年5月21日付)でも指摘したように、政府の物価対策によって、消費者物価指数の上昇が抑えられているからだ。これを除くと、実質賃金の対前年同月比はマイナスになる。
年度で見ても25年度(前年度比0.5%減)まで4年連続でマイナスだ。今年も秋以降、食品値上げなどが広がり、再びマイナスになることが懸念されている。
実質賃金が低迷する根本的な原因は、日本経済の潜在成長率が低下していることだ。ここで、潜在成長率とは、物価変動を除いた実質GDPが、インフレやデフレを引き起こすことなく、中長期的にどの程度成長し得るかを示す指標だ。
潜在成長率は、内閣府と日本銀行によって計算されているが、日銀のデータ(「調査・研究『需給ギャップ・潜在成長率および労働需給関連指標』」)によると、25年4~9月(第2四半期から第3四半期の間)で潜在成長率は0.67%だ(年率。以下も同じ)。1985年の同期間には4.21%だったので、著しい低下と言わざるを得ない。
内閣府のデータ(月例経済報告、GDPギャップ、潜在成長率)も同じような傾向だ。
このように、潜在成長率の低下は日本経済が抱える基本的な問題だ。そしてこれは、実質賃金の対前年伸び率の推移と軌を一にしている。
高市政権は、積極財政路線や金融緩和維持で成長を図ろうとしているが、これは需要面(デマンドサイド)の拡大に重きを置いた政策だ。
だが潜在成長率引き上げには、供給サイドの強化がカギになる。
その柱となる政策はある。







