仕事に不満がある。でも、今の会社を辞めていいのだろうか――。働く人なら一度は抱えたことのある悩みかもしれない。そんな「悩ましい現状」を打破するためのアドバイスを発信し続けているのが、中国の名門・北京大学出身の心理カウンセラー、リ・ソンウェイ氏だ。今回は、彼のもとに寄せられた人生相談を紹介する。

【人生相談】「残業が嫌です。仕事を辞めるべきでしょうか?」Photo: Adobe Stock

【相談】「残業が嫌です。仕事を辞めるべきでしょうか?」

(※本記事は、『5%の変化――自分を変える「小さな実験」』(リ・ソンウェイ著)からの抜粋です)

 最近、「いつ退職するか」でとても悩んでいます。

 今の会社には新卒で就職しました。自分の意志で決めた会社です。

 仕事も楽そうで面白そうだと思って決めましたが、当時はマイナス面(給料が少ない、強制残業がある、出世が難しい)まで考えませんでした。それが、仕事の新鮮味がなくなるにつれ、欠点(特に残業)が急に気になり始めたのです。

 私は、普通に生活できる程度の収入があれば十分だと思っています。それに、家庭を第一にしたいので、仕事に生活を侵食されたくありません。

 しかし、今の会社には残業を奨励する雰囲気があり、同僚たちは終業後も当然のように席に残ります。「もしかして、退社時間を忘れたの?」と疑ってしまうほどです。

 以前は定時に退社していましたが、上司から何度か暗に指摘され、結局少しだけ妥協することにしました(終業時間になったら10分間スマホで遊んでから帰るのです)。

 私は、この会社には絶対長くはいられないと思っています。でも、いつ辞めたらいいのでしょう? 社長が会議でまた残業を奨励し始めると、退職願を顔に投げつけてやりたくなります。

 けれども仕事がうまくいっているときは、「残業以外には大きな不満はないし、転職しても今より悪くならないとは限らない。もう少し続けてみるか」と思ってしまうのです。それに私は、面接が大嫌いです。

 家族はみんな私の転職に賛成してくれています。しかし、まだ転職サイトで求人を本気で探したこともなく、ぐずぐず泣きながら「辞めてやる!」と言った翌朝には、毒づきながら出社しています。

「もう何もせず、家でぼーっとしていようかな」と思うこともあります。だけど仕事という束縛がなければ生活が一気にだらしなくなりそうだとも思うのです。

 本当は働かずにだらだらし続けたい……世界はこんなに広いのだから、こんな怠け者でも気楽に過ごせる場所がどこかにあるのではないでしょうか?

【リ・ソンウェイ先生からの回答】

リ・ソンウェイ
1985年生まれ、中国・四川省出身。北京大学臨床心理学博士。2007年より北京大学校医院心理カウンセリングセンターおよび北京大学学生心理健康教育カウンセリングセンターでカウンセラーを務める。認知行動療法と家族療法が専門。現在はフリーの心理カウンセラー、作家として活動するほか、清華大学をはじめとする各大学で心理学講座を受け持ち、人気講師として名高い。著書に『5%の変化――自分を変える「小さな実験」』がある。

 一つ提案があります。あなたの考えを整理するのに役立つかもしれません。ただし、この方法はご家族の協力が必要なので、あなたからお願いしてみてください。

 次の質問について、あなた自身も含めて家族全員に答えてもらってください。

1.今後、××(相談者名)の帰宅は今より早いほうがいいですか? それとも遅いほうがいいですか?
2.もし、××が今後毎日決まった時間に退社するとしたら、何時に帰宅してほしいですか? あるいは、終日家にいてほしいですか?
3.××には、仕事以外の時間を何に使ってほしいですか?
4.もし、××が今後毎日残業するとしたら、遅くとも何時までに帰宅してほしいですか? または、どれだけ遅くなっても構わないと思いますか?
5.××の残業をサポートするために、あなたはどんなことができますか?

 回答は短くて構いません。ただ、できるだけ具体的に、自分の希望をはっきり書いてもらってください。たとえば「認めない」「何もしたくない」といったシンプルな答えで結構ですが、「すべて彼女の好きなようにしたらいい」というような、本人の意見が見えないものは避けてください。必ず、自分の要望を書いてもらいましょう。

 1週間以内に、あなた自身も含めた家族全員の回答を確認し、そのうえで、何か新しい考えが浮かんだかどうか、私に教えてください。

 さて、あなたはどんな決断をすることになるでしょうか?