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転職が一般的になった現代。それでもなお、「今の会社を辞めても本当に大丈夫か」「未経験の職種に挑戦していいのか」と、キャリアの迷路で立ち尽くしてしまう20代・30代の方は少なくありません。今回は、一度は封印した幼いころの夢を再確認したAさんと、家庭の事情による移住を機に「30代で未経験職」へ挑んだBさん。対照的な背景を持つ二人の事例から、自分らしいキャリアを切り開くためのヒントをひもといていきます。(文=進藤 聡/リクルートエージェント キャリアアドバイザー)
経済的な責任感と、消えない
「ものづくり」への憧れ
幼いころにテレビのリフォーム番組を見て胸を躍らせ、図工の授業に時間を忘れて没頭した記憶や「手先が器用だね」と褒められた喜び。それらが積み重なり、Aさんは自然と「設計の仕事」を志すようになりました。
しかし、現実は甘くありません。専門学校で資格を取得したものの、設計職の求人は少なく、恩師の「まずは現場で経験を積んで、それから設計職を目指してもいいのではないか?」というアドバイスもあり、地元の建設会社へ施工管理として就職しました。
「これは本当に自分がやりたかったことなのだろうか?」
入社直後の研修の時点で、Aさんは違和感を抱き始めていましたが、すぐに辞めるわけにはいきません。専門学校の学費を親戚が支援してくれていたからです。
「期待に応えなければ」――そんな誠実さと責任感が、Aさんの足をその場にとどめさせていました。しかし、一度抱いてしまった違和感は消えるどころか、日を追うごとに大きくなっていきます。
「このまま進んでいいのか」
その葛藤は、Aさんを静かに、しかし確実に追い詰めていきました。







