【相談者からの2年後の報告】
先生の悩み相談が書籍化されると知り、私の現状を補足させていただきます。気づけば以前の報告から、2年もの時間が経っていました。
過去の文章を読み返すと、「2年前の自分は、まだ純粋で熱意もあったな」と思います。あの頃の私は、目の前の生活や将来の人生設計について、いろいろ考え、期待もしていました。表面上は無気力に見えていたかもしれませんが、実はかなり真剣だったのです。
結局あの会社は退職し、数カ月は何もせず、怠惰に過ごしていました。すると、そんな様子を見かねた父が私を引っ張り出し、「父のサポート」という名目で仕事を用意してくれたのです。
手伝うだけですから、始めるときは気楽でした。ところがしばらくすると、父は私にもっと高いレベルを求めるようになりました。私も「将来のためには稼げたほうがいい」と思い、父の言葉に納得して本気で取り組むようになったのです。その後も父が「良かれと思って」指導してくれて……この繰り返しの結果、後戻りできなくなってしまいました。
今の仕事の状況は、以前のアンケート結果そのままです。職場は実家からとても近いので(在宅勤務可能な場合もあります)、母と過ごす時間も多く取れます。それに、ある意味父との「共同事業」です。
仕事量も以前のように多くなく、朝8時から夕方5時までと規則的です。終業のチャイムが鳴ると同時に事務所は空っぽ。みんな私より帰るのが早くて、びっくりするほどです。終業後は、自分がやりたければ残業してもいいですし、仕事のスキルを磨くこともできます。それに、家族とゆっくり過ごすこともできて、趣味として絵を描くようにもなりました。
環境を変えただけでここまで変わるのか――人の「変化の可能性」には驚くばかりです。
今では、長い間無気力で迷っていた原因は、自分の意志だけではなかったと感じています。だから、過去の自分をゆっくり許そうと思います。置かれた環境、周りのサポート、その時の心理状態や経験――それらすべてが、大きな要因になり得ます。決して失敗したわけではないのに、天気のせいなのか何なのか、急にやる気が失せてしまうことだってあるのです。
もちろん、新しい仕事のすべてが良いというわけではありません。今まで興味のなかった未経験分野なので、始めたばかりの頃は納得できない気持ちもありました。また今の私の出来具合を考えると、「私の代わりはいない」と言うにはまだまだです。だからこそ、自分の強みを育てるためにも頑張ろうと思っています。
そうでした、かわいそうな夫(2年経って、彼は恋人から夫に昇格しました)のことを忘れていました。「帰宅したら私が作った温かな食事が待っている」という彼の夢は実現できていません。現実は、毎日私がお箸を持って彼が作るご飯を待っています(本当にかわいそうな彼……)。
いずれにしろ、いろいろあったあとで自分に対する理解が深まりました。振り返ってみると、2年前の私は、中学生になった頃の自分と同じような状態だった気がします。知らない土地に放り込まれ、新しい人間関係と勉強が始まり、親とも離れて暮らす。中学生の私は、必死に環境に適応し、志望校にも合格できました。けれど心の中には、「これでいいのかな」という、しっくりしない感覚がずっと残っていたのです。
私は決してワーカホリックを目指したいわけではありません。仕事以外の自分の時間も持ちたいです。仕事を頑張ることと生活を楽しむことの両立が不可能だとは思いません。今も、そして将来も、2つのバランスをうまく取っていきたいと思っています。これくらいにしておきます。仕事中ですし、少しサボる程度でやめておきます。
(本原稿は、『5%の変化――自分を変える「小さな実験」』(リ・ソンウェイ著、金山まゆみ訳)からの抜粋です)



