一方で、植物性は大豆由来の「ソイプロテイン」が主流で、低カロリー、かつ、ゆるやかな吸収速度が特徴だ。女性ホルモン様作用による美容効果が期待できるイソフラボンを含む。これもホエイに比べて溶けにくく、飲みやすさでは劣るが、植物性を好む人やビーガンにとっては選択肢となりうる。

 ただし、筋肥大を目的とするならば、最も効率が良いのはホエイプロテインである。筋合成のスイッチ「mTOR(エムトール)」を押すトリガーとなる必須アミノ酸「ロイシン」の含有量が高く、また体内への吸収も速いためだ。トレーニング直後の身体にとって、これほど都合の良いプロテインはないと言っていい。

 もちろん、カゼインやソイにもメリットはある。長時間にわたり血中アミノ酸レベルを保ちやすいため、筋分解の抑制に貢献する可能性もある。ただし、消化・吸収に時間がかかる分、胃腸への負担もあるため、加齢にともなって消化能力が低下してくる中高年にとっては、ホエイのほうが適しているケースが多い。

 まとめると、筋肥大や筋肉の疲労回復を主目的とするなら、ホエイが第一選択肢となる。

 必要に応じて、カゼインやソイを戦略的に組み合わせる。重要なのは「自分にとって何が最も効果的か」を知り、選択することだ。「女性はソイ」といったイメージで決めないこと。最も重要な資産である「身体」の手綱を、イメージなどに委ねてはならない。

 プロテインに“魔法”はない。しかし、正しく使えば、トレーニング効果を最大限に引き出す「頼もしい武器」になる。

ホエイプロテインの3形態――その特性と使い分け

 では、トレーニング効果を最大化するうえで、総合的に最も効率が良いホエイプロテインをさらに掘り下げよう。

 ホエイプロテインには、製法の違いによって、おもに三つの種類が存在する。WPC(ホエイプロテイン・コンセントレート)、WPI(ホエイプロテイン・アイソレート)、そしてWPH(ホエイプロテイン・ハイドロリセート=加水分解ホエイプロテイン)である。まずWPCとWPIの違いについて確認しておこう。両者の差は、乳清タンパク質をどの程度まで純度高く抽出しているかにある。