習い事などにも同じことがいえます。発達相談に来られる親御さんには、「多様な経験をさせたほうがいいから、いろいろな習い事を試してみるといいですよ」とお伝えしているのですが、「途中でやめないほうがいいですよね」とか、「上級クラスになるまで続けさせます」とおっしゃる親御さんが多いのです。

 せっかく習うのですから、上達してほしいと思われる気持ちはわかります。でも、そのような遠大な目標を掲げると、子どもとのガマン勝負になってしまうのです。ですから、「1年間は続けなさい」とか「クロールができるようになるまでがんばりなさい」というような条件設定はやめましょう。

習い事はいろんな体験を通じて
子どもが好きなことを見つける機会

 いろいろな習い事を試すのは、あくまでも幅広い体験を通じて、子どもの好きなことを見つけるのが目的です。バイオリンを習ったからといって、バイオリニストを目指さなければならないというわけではありません。本人が「嫌」と言ったら、さっさとやめさせましょう。

□そろばん教室に行ってみた→そろばんに触れることができてよかった
□プール教室に1カ月通ってみた→水に顔をつけられるようになってよかった
□バスケットボール体験に行ってみた→ドリブルができるようになってよかった

 このように、ほんの小さな一歩でも大きな進歩なのです。

 すぐにやめてもいいんです。あれもこれもやったけれど身につかない、と嘆く必要はありません。

 そのときは嫌がってやめたとしても、あとになって「あ!これ、やったことある」と思えることで、興味を持つケースも多々あるのですから。

 ですから、なにひとつムダにはなりません。試してみただけの価値がある、貴重な経験ができた、とポジティブに考えてください。

 以前、読み書きが苦手でなかなか学校に行けないお子さんがいました。ところが親御さんがいろいろと試させるなかで、パソコンにハマり、プログラミング教室に通いはじめると、水を得た魚のようにいきいきと生活するようになったのです。