ミーティングのようす写真はイメージです Photo:PIXTA

かつて千葉県流山市は、3年連続の赤字で財政危機に陥っていた。背景には、予算を使い切ることが目的化し、業者との契約も前例踏襲で進められるなど、コスト意識の欠如があったという。同市はどのようにして行財政改革を進めたのか。流山市長が見直した組織運営の実態を追う。※本稿は、千葉県流山市長の井崎義治『流山市はなぜ選ばれ続けるのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)の一部を抜粋・編集したものです。

3年連続で赤字になった流山市が
断行した「1円まで活かす市政」

 地方自治法第2条第14項には、「地方公共団体は、最小の経費で最大の効果を上げるように、その事務を処理しなければならない」などとあります。理念としてはすばらしいのですが、実務では2つの変数を同時に満たすことは困難で、職員の中には、この理念の実行については、思考停止になっている者もいました。

 そこで私は、職員に「同費用でより大きな効果」と「同じ効果でより少ない費用」に分解して考えるよう求めてきました。

 意識改革と並行して、行財政改革にも着手しました。「行財政改革」という言葉はやや堅苦しいため、私は「1円まで活かす市政」に置き変えて表現しています。

 就任当初、流山市の単年度収支は3年連続で赤字を出しており、何も手を打たなければ、今後も赤字が続く見込みでした。まさに崖っぷちの状況であり、構造的な見直しを避けて通ることはできませんでした。

 ただし、費用の削減が目的になってしまうと、行財政改革によって組織がどんどん脆弱になっていってしまい、まちの衰退にもつながりかねません。ただやみくもに節約しても市民へのサービスが最適にならなければ意味がありません。