人前だと、次にどんな話をすればいいのかわからない。そんな悩みはありませんか。本記事では、新刊『人日記』(内山厳・著)から、話し下手でも信頼されやすくなるコツをお送りします。

話し下手でも信頼されやすくなるコツPhoto: Adobe Stock

話下手でも信頼されるためのコツ

話し下手の人は、雑談だけが苦手なわけではありません。私もそうですが、1対1で人と対話する場面で何を話せばいいかわからず、モジモジしてしまうこともあります。

もし一度でも思い当たる人がいたら、ぜひ覚えてほしいのは、相手と信頼関係を深める技法の一つである「マイクロカウンセリング」です。

マイクロカウンセリングは、カウンセリングの場面で使われる基本的なコミュニケーションスキルを体系化したものです。仕事の場面に限らず、日常的なコミュニケーションにもすぐに役立てることができます。

ここでは、その中でも特に取り入れやすい「かかわり行動」と「かかわり技法」のいくつかをご紹介します。

【かかわり行動】相手に安心感を与える非言語的な関わり方

視線
相手に視線を合わせます。それだけでも、「あなたの話に関心があります」というメッセージが伝わります。ただし、じっと見つめすぎると威圧感を与える可能性もあるため、自然なアイコンタクトを心がけましょう。

身体言語
体の向きを相手に向けたり、少し前のめりになったりすることで、関心の度合いを示します。反対に、腕組みしたり、相手と別の方向に体を向けたりすると、偉そうに見えたり心理的な壁を感じさせたりするので避けましょう。

声の調子
声のトーンや、話すスピードを相手に合わせます。これは「ペーシング」と呼ばれるコミュニケーションスキルで、相手は心地よさを感じ、話しやすくなります。

【かかわり技法】相手の話を促し、理解を深める言語的な関わり方

観察
相手の表情や声のトーン、話す内容だけでなく、言葉にならないサインにも注意を払います。「何か言いたそうだ」「少し困っているようだ」といった相手の状態を観察し、「何かありますか?」「何か手伝いましょうか?」などの適切な言葉をかけましょう。

質問
「いかがでしたか?」「どう思いますか?」というように、聞かれた人が自由に答えられる質問は「オープン・クエスチョン」です。それに対し、「楽しかったですか?」「成功しましたか?」というように、「はい」か「いいえ」で答えられる質問は「クローズド・クエスチョン」です。この2つを適切に使い分けて、相手の話を引き出しましょう。

励まし(相槌、うなずき)
「はい」「ええ」「なるほど」といった短い言葉や、うなずきによって、相手の話を促します。これは、相手の話を肯定するというよりも、「ちゃんと聞いていますよ」というサインを送るためのものです。

言い換え
相手が言ったことを自分の言葉で言い換えて確認します。たとえば、「それは、〇〇ということですね?」と返すことで、自分の理解が正しいかを確認するとともに、相手に「しっかり聞いてもらえている」という印象を与えます。

感情の反映
相手の言葉の背後にある感情を言葉にして伝えます。たとえば、「それは嬉しいことですね」「さぞ驚かれたでしょう」といった形で感情に触れると、相手は「気持ちをわかってもらえた」と感じ、より深いレベルでの共感が生まれます。

これらの技法を意識的に使うことで、相手は「自分の話を真剣に聞いてもらえている」「この人は自分のことを理解しようとしてくれている」と感じ、安心感と信頼感を抱きやすくなります。

すべてを身につける必要はありませんが、自分にできそうなものから少しずつ練習すると、聞き手としての技量は向上していきます。

私の研修でも、『励まし』と『言い換え』だけを意識して対話してみましょう」というように、その場でいくつか練習を行うだけで、多くの方がその効果を実感されています。

(本記事は『人日記 1日1分、会った人の名前を書く』の一部を抜粋・編集したものです)