若手のみから「日本流グローバル人事制度」の導入検討を

 一方、「長期的」視点に基づいた有効施策として推奨したいのが「採用」や「定着」という“点”や“線”ではなく、「ホップ→ステップ→ジャンプ」の「ジャンプ」に当たる「日本流グローバル人事制度の導入」です。単発的な定着施策のみで四苦八苦しても、抜本的な課題解決にはなり得ません。言わずもがなですが、世界中の優秀な若者が夢を持って自社に応募・入社し、その後も夢を失わずに活躍できる環境や制度を構築できるかがが最も重要です。

「日本流グローバル人事制度」をひと言で言うと、ズバリ若手から部分的にでも、年功序列の思想を排除し国籍・居住地の関係ない実力主義を導入することです。

人事制度には幅広い要素が含まれますが、たとえば、等級制度をグローバル基準で統一したり、評価・報酬制度も年功序列でなく実力主義に基づいた基準に改めたり、異動・配置もグループ全体で国境を越えた人材の登用・交流を進める、といったことです。世界中のグループ全体で国境を越えた人材の登用、交流、育成ができる仕組みの構築を指し、報酬や評価に関しても世界で統一の基準を持つことを意味します。

 全社的に一気に導入すると、大きな抵抗もあるでしょうし、大混乱に陥る可能性が大ですが、これを新卒や第2新卒の採用時から若い世代だけに適用するわけです。若い世代であれば、既得権益にしがみつくよりも、チャンスが広がることを歓迎するムードが大勢のはずです。