そして、まずは日本国内で、次に海外拠点へと、なるべく間を空けずに全世界へ導入していくのが理想です。国内だけで新制度を導入しても、すぐに矛盾が起きるからです。端的な例が、日本本社で採用した中国人社員を中国の現地法人に赴任させた時などです。本社で採用されたからといってなぜ現地の中国人社員の給料を大幅に上回るのか、この問題に悩む企業は多いわけですが、世界共通の評価制度を持たなければ、その場しのぎの解決策で終始してしまいます。
日本企業は、今こそ全世界のグループ総力を挙げて、世界の若手人材争奪戦に参戦すべきです。重要なのはその際に「採用活動」を独立して行うのではなく、「グローバル人事制度×世界採用」のパッケージで導入をすることでしょう。
これは外国人の「採用」という1プロジェクトではなく、経営の覚悟をともなう全社規模のチャレンジであるべきなのです。日本オリジナルの強みが世界中の優秀な才能との化学反応でよみがえり、また日本企業が世界を席巻する時代がくることを心の底から願っています。
(次回は8/2公開です)