「人の性格は変わらない」とよく言われます。その言葉を信じて、「自分は臆病だから」「不安症だから」と人生そのものを諦めてしまう人も少なくありません。しかし、本当に変わらないのは性格なのでしょうか。『世界の果てのカフェ』には、そんな思い込みをやさしく解きほぐしてくれる一節があります。「何度読んでもハッとする」と話題の一冊から、相談者に響いた名言について紹介する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

「性格は変えられない。だから私の人生も変わらない」。そう決めつける人に効く名言・ベスト1Photo: Adobe Stock

性格は変えられない。人生も変わらない?

 最近、こんな相談があった

「『性格は変えられない』ということがよく言われます。私は臆病で不安症ですから、きっとこの先も変わらない。だから、私の人生も変わらないはずです。それで間違い無いですよね?」

 相談者は、自分の性格を受け入れているというよりも、諦めているように見えた。

「どうせ私は変われない」

 その一言で、自分の未来まで決めてしまっているようだった
 私はこの相談を聞いて、『世界の果てのカフェ』の一節を思い出した。

性格が変わらないことと、
人生が変わらないことは違う

 世の中には、「性格は簡単には変わらない」という考え方がある。

 確かに、生まれ持った気質や考え方のクセは、急には変わらないかもしれない。
 しかし、それと「人生が変わらない」はまったく別の話だ

 臆病な人でも起業する人はいる。
 不安症でも世界中を旅する人はいる。
 人見知りでも営業で成果を出す人はいる。
 彼らは性格を捨てたわけではない

 性格と付き合いながら、新しい人生を選んだのである。

人には、それぞれ「向き合う時期」がある

世界の果てのカフェ』には、こんな一節がある。

「ああ、それは難しい問題だ。人それぞれ、向き合う時期が違う。小さな子どもの頃に解決する人もいれば、大きくなってから解決する人もいる。一生向き合わない人もいる」
――『世界の果てのカフェ』より

 私は、この言葉がとても好きだ。

 人生には「遅すぎる」ということはない
 20代で気づく人もいる。
 50代で気づく人もいる。
 あるいは、最後まで気づかない人もいる。

 重要なのは、変われる年齢かどうかではない。自分自身と向き合うかどうかなのだ

人生を決めるのは性格ではなく、決めつけ

 相談者は、「私は臆病だから」と何度も口にしていた。
 しかし、その言葉を聞きながら私は思った。

 相談者を縛っているのは、臆病な性格ではない。
「私は変われない」という決めつけではないだろうか

 人は、自分で自分の可能性を閉じてしまうことがある。

「向いていない」「才能がない」「性格だから仕方ない」
 そう言い続ける限り、新しい一歩は踏み出せない。

 逆に、「もしかしたら変われるかもしれない」と思えた瞬間から、人生は少しずつ動き始める

人生を変える、たった一つの考え方

 相談者に私はこう伝えた。

「性格が変わるかどうかではなく、自分と向き合う時期が今日なのかどうかを考えてみてください」

 臆病でもいい。不安症でもいい。
 大切なのは、その性格を理由に人生まで諦めないことだ。

世界の果てのカフェ』が教えてくれるのは、「人は必ず変われる」という単純な励ましではない。
「人生には、それぞれ向き合うタイミングがある」という、静かで力強いメッセージである。

もし今、この言葉が心に残ったのなら、それがあなたにとっての「向き合う時期」なのかもしれない。

(本稿は、『世界の果てのカフェ』の発売を記念したオリジナル記事です)