会社は、社員を守るためだけに存在する場所ではありません。給料、雇用、福利厚生…。もちろんそれらは会社に所属するメリットです。しかし、それだけを求めて会社に居続ける人が増えれば、組織はどうなるでしょうか。会社から利益を受け取る以上、その利益を生み出す側にも回らなくてはいけません。では、組織にとって最も困る「ダメ社員」とは、どんな人なのでしょうか。この連載では、書籍『リーダーの仮面』をベースに、全ビジネスパーソンに必須の「リーダーシップ」のあり方について指南する。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

今すぐ会社から追い出すべき「ダメ社員」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

会社から追い出すべき「ダメ社員」

 会社は、社員を守るためだけに存在する場所ではありません。

 給料をもらえる。
 雇用が守られる。
 福利厚生が受けられる。

 もちろん、それらは会社に所属するメリットです。しかし、それだけを求めて会社に居続ける人が増えれば、組織はどうなるでしょうか。

 会社から利益を受け取る以上、その利益を生み出す側にも回らなくてはいけません

 では、組織にとって最も困る「ダメ社員」とは、どんな人なのでしょうか。

ワースト1:「分け前」だけを求める人

リーダーの仮面』で私は、次のように書きました。

そもそも、人間が集団をつくる理由はなんでしょうか。
それは、集団でものごとを成したほうが、得られる成果が大きくなるからです。
いつの間にか、終身雇用や年功序列があることが、組織のメリットのようになっていますが、いずれも二次的なものです。
雇用を安全に守ってもらえることだけが組織のメリットではないのです。
――『リーダーの仮面』より

 会社に所属すると、さまざまなものが与えられます。
 毎月の給料だけではありません。

 会社の信用を使える。
 設備やシステムを使える。
 他の社員と協力できる。
 一人ではできない規模の仕事に挑戦できる。

 ところが、「会社は自分に何をしてくれるのか」ばかりを考える人がいます

 給料は上げてほしい。
 休みは増やしてほしい。
 仕事の負担は減らしてほしい。

 それ自体が悪いわけではありません。

 問題は、自分が組織にどれだけの利益をもたらしているのかを考えないことです

会社は「マンモス」を狩るためにある

集団だからこそ、成し得ることがあります。
大きなものを動かしたり、大きな利益を獲得しようとしたときに、人は集団をつくります。
はるか昔、人間は集団をつくり、みんなで狩りをすることでマンモスも狩れるようになりました。
1人1人が小動物を狩るのではなく、自分たちよりずっと大きいマンモスを狩り、その肉を山分けするようになれたのです。
集団で大きな利益を獲得し、獲得した利益を分配する。
そうすることで、個々の人間が1人ずつ取り組むよりも、結果的に多くの利益、分配を獲得することができます。
――『リーダーの仮面』より

 会社の本質も同じです。
 一人ではできないことを、複数人で実現する。

 営業する人がいる。
 商品をつくる人がいる。
 管理する人がいる。
 それぞれが役割を果たすことで、一人では狩れない「マンモス」を狩ることができます

 そして、得られた利益が給料や賞与などの形で社員に分配されます。
 この順番を忘れてはいけません。

 先に「分け前」があるのではありません。
 まず、みんなでマンモスを狩る。その結果として、分け前が生まれるのです。

「もらうこと」しか考えない人はいらない

メンバーが適切に動けば利益は最大化します。利益を最大化するための方法が集団で動くということです。
大企業になればなるほど給料が高くなるのも、そういう訳があります。
大きい獲物を狩ると、個人の分け前が増える。それが正しい順番です。
――『リーダーの仮面』より

 優秀な社員は、「自分が会社から何をもらえるか」だけを見ません。
「自分は組織の利益にどう貢献できるか」を考えます。

 自分の役割を果たす。
 成果を出す。
 その結果、組織全体の利益が増える。
 そして、自分の分け前も増えていく。

 この順番を理解しています。

 反対に、「できるだけ働かず、できるだけ多くもらいたい」という人ばかりになれば、組織の利益は減っていきます。
 マンモスを狩りに行く人がいないのに、肉だけ欲しがる人が増えれば、集団は成立しないのです。

「組織のことを考える人」を残そう

 今すぐ会社から追い出すべき「ダメ社員」。
 その特徴は、「分け前」だけを求め、組織の利益を生み出そうとしないことです

 会社は、社員を養うためだけの場所ではありません。
 一人では成し得ない大きな成果を、みんなで生み出すための場所です。

 組織の利益が増えるから、個人の利益も増える。
 その順番を理解している人が増えるほど、組織は強くなるのです。