頭のいい人は、頭の回転が速い人ではありません。質問される前から、自分の考えを整理している人です。『言語化だけじゃ伝わんない』では、そのためのシンプルな習慣として「紙に書き出すこと」が紹介されています。(構成/ダイヤモンド社・種岡 健)

頭のいい人になるための「たった1つの習慣」とは?

頭のいい人になるための習慣

「どう思いますか?」

 そう聞かれた瞬間に、言葉が出てこなくなる。

 そんな経験はないでしょうか。

 頭の中には何かある気がするのに、それを言葉にできない。

言語化だけじゃ伝わんない』という本では、その原因は「考えていない」のではなく、「頭の中が整理されていない」からだと語られています。

頭の中は、そのままでは見えない

 本書では、まずこんな話から始まります。

ここから、頭の中の地図をつくっていきましょう。
地図をつくるためには実際に歩いたり測量したりしないといけませんが、頭の中は歩くことができません。
そもそも、人の考えはコロコロ変わるものです。
では、どうしたらいいのでしょうか。
頭の中を捉えるためには、いったんそれを外に出す必要があります。
頭に浮かんだことすべてを、紙に書き出すのです。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より

 頭の中だけで考えていると、自分が何を考えているのかさえ見えません。

 だからまずは、外に出す
 紙に書くだけで、ぼんやりしていた考えが「見えるもの」に変わります。

 地図を描くように、自分の思考を可視化するのです。

頭のいい人は「質問される前」に考えている

 さらに本書では、こんな習慣を勧めています。

とはいえ、頭の中すべてを描き出すのは大変なので、ここではひとつの話題に絞って考えます。
人に質問される前に、その話題について自分の考えを知っておくということです。
大事なのは、ひとりで考える時間をとることです。
人に質問されてから「えーっと……」と考えては遅すぎます。
「えーっと……」と言いながら一瞬で考えるのがまずかったのです。
聞かれたその場で答えられないのであれば、あらかじめ考えておくしかありません。
これもまた準備のひとつです。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より

 話が上手な人は、即興が得意な人ではありません。
 普段から考える習慣がある人です

「AIについてどう思う?」
「転職についてどう考える?」
「いい上司とは?」

 こうしたテーマについて、一度でも考えたことがあれば、話すときにゼロから考える必要はありません。
 答えを暗記するのではなく、自分の考えを整理しておくことが大切なのです。

書くのは文章ではなく「単語」でいい

 とはいえ、「考えを紙に書きましょう」と言われると、作文のようなものを想像してしまいます。

 しかし、本書が勧めているのはもっと気軽な方法です。

考えを紙に書き出すといっても、箇条書きや文章で書き出すわけではありません。
整理しようとせず、とにかく、まずは思いついた単語を書き出しておくのです。
頭の中に、どんなラベルがあるか、確認しておくということです。
――『言語化だけじゃ伝わんない』より

 文章を書こうとすると、また「言葉を一列に並べる」という難しさが始まります。
 だから最初は単語だけで十分です

「仕事」「準備」「責任」「失敗」「評価」……。

 思いつく言葉を書き出していくだけで、自分が何を考えているのかが少しずつ見えてきます。

「考える時間」を先に確保している

言語化だけじゃ伝わんない』が伝えたいのは、「話す練習をしよう」ということではありません。

 話す前に考える時間を持とう、ということです。
 質問されてから考えるのでは遅い。

 普段から紙の上で思考を整理し、自分の頭の中の地図を少しずつ描いていく
 そうして準備を重ねた人ほど、人前でも落ち着いて、自分の言葉で話せるようになります。

 頭のいい人とは、頭の回転が速い人ではありません。
 自分の考えを、あらかじめ見える形にしている人なのです。

(本記事は、書籍『言語化だけじゃ伝わんない ―― 絵を描くように「考える・伝える」技術』を元にしたオリジナル記事です。)

ヤギワタル
1981年静岡県生まれ。制作会社にて、雑誌タイアップ広告の制作進行を務めたのち、フリーランスのライターを経験。国際情勢関連の英日翻訳をやりながら、2011年からイラストレーターの活動をスタート。現在は書籍・雑誌・広告など幅広く活動中。特に、ビジネス書や新書での挿絵や図解を担当することが多く、10年以上、活躍している。
これまで、装画・イラストを担当した書籍は200冊以上。『言語化だけじゃ伝わんない ―― 絵を描くように「考える・伝える」技術』(ダイヤモンド社)が初の単著となる。