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俳句を、精神科のケアに活用した取り組みがある。この俳句療法に参加した患者たちの句には、ある共通した特徴が見られたという。精神科病棟での実践をもとに、俳句と回復の不思議な関係を読み解く。※本稿は、帝京大学文学部心理学科教授の元永拓郎『歩くと心が軽くなるのはなぜか――散歩の心理学』(筑摩書房)の一部を抜粋・編集したものです。
社会から離れて休むことが
心を回復させる第一歩
以前、精神科の病棟に、心理職として働いていた今から何十年も前のことです。
その病棟は、総合病院にいくつかある病棟のひとつで、ぐるりとひと回りできるロの字の広い廊下と、その廊下から外側に、病室が並んでおり、その病室からは、見晴らしのよい窓があって、廊下を背に外を眺めることができました。病室は、個室や3人部屋、4人部屋等があったでしょうか。
入院してくる患者さんはさまざまでしたが、患者さんの多くは、入院してすぐは、病状がよくないことが多いので、病室の自分のベッドに一日中寝ていたり、食事もベッドまで看護師さんに持ってきてもらって、ベッド上で食べたり、あまり口をつけられなかったりということが多い感じでした。
病状がよくないということもありますが、入院前の生活環境ではストレスが高く、たとえば家族内でもめていて在宅では心身を休めることができないとか、在宅では食事を自分で充分に準備することができないなどで、レスパイト(休息)の意味も含めて、入院することもあります。







