実際、フォロワーシップ概念の主唱者である経営学者のロバート・E・ケリーは、「組織が挙げる成果の8~9割はフォロワーシップによって決まる」としているほどです。

 リーダーはもちろん優れていなければいけません。

 しかし、どんなに優れたリーダーがいても、機能的なフォロワーがいなければ、組織は空回りしてしまうのです。

 では、機能的なフォロワー、チームに貢献し、チーム全体の力を高めてくれる良きフォロワーとはどんな人材でしょうか?

自走する部下を育てる
意思決定のキーワード

 自分で考えようとしない「指示待ち」タイプはもちろん困ります。

 かといって、能力は高いけれど協調性がないスタンドプレーの多いタイプも困ったものです。

 批判や文句が多すぎるタイプも使い物になりません。

 やはり、しっかりと自走できる自律性があり、実行力も十分、かつチーム全体のことを考えられるタイプのフォロワーが理想です。

 そういう部下はなかなか得がたいものですが、だからこそ、今いるメンバーを、そうした理想のフォロワーに成長させていくにはどうすればいいかが問題になるわけです。

 部下に任せること、それによって部下が自ら意思決定をして自律的に行動できるようにすることは、チームのパフォーマンス向上の肝です。

 裏を返せば、部下が意思決定をできなければ、または意思決定ができたとしても、それが場違いや見当違いのものであったりしたら、チームマネジメントはうまくいかないということになります。

 フォロワーシップを育成するためのノウハウの根本は、

 フォロワー=部下がまっとうな意思決定・判断ができるようにすること

 になります。

 そこで、そもそも意思決定とはどのようなプロセスなのかに、まずは注目してみましょう。

 キーワードは、「適合性」と「可能性」、そして「受容性」です。

 なんらかの意思決定をしようとするとき、そこには必ず課題があります。

 例えば、「新しいスマホを買いたいが、どの機種を選ぶべきか」という課題があるとしましょう。