部下に仕事を任せながら指導する上司写真はイメージです Photo:PIXTA

「頑張って教えているのに、部下が育たない…」そう思ったことはないだろうか。実はリーダーが善意で繰り返している指示や管理こそが、組織から主体性を奪っている可能性がある。では、優秀な人材が自ら考え、動き、成果を出すチームはどう生まれるのか。米国海軍の実践知に基づく「ミッション・コマンド」の核心に迫る。※本稿は、エンドステートナビゲーション代表の浅野 潔『米国海軍大学元教官が教える自律型チームのつくり方』(フォレスト出版)の一部を抜粋・編集したものです。

部下が動けないのは
理想の状態を示せていないから

 ミッション・コマンド(編集部注/「任務の目的と意図」のみを指示し、達成するための具体的な手順は現場の部下に委ねる指揮・マネジメント手法)実現の手順は、3つのステップからなります。

 ここからは、この3ステップそれぞれについて詳しく説明していきます。

 突然ですが、あなたは髪を切ってもらうとき、希望する髪型をどのように美容師さん・理容師さんに伝えますか?

 あるいは、家を新築する場合、新居のイメージをどうやってハウスメーカーに伝えますか?

 これらはいずれも、自分がイメージしている理想の状態を、他者にも「見える」ようにするにはどうしたらいいか、という問題です。

 理想の状態がわからなければ、人はどこに向かって行動すればいいのかがわかりません。

 当然、自分でどうすべきかを判断・意思決定することなどおぼつかないわけです。そこで、ミッション・コマンドを実現するための第一段階として、「理想の状態」の可視化が必要になります。

 理想の状態のことを、軍事用語では 「エンドステート」 と呼びます。