健康食品やサプリで数値が改善したと聞くと、効果があったと感じてしまいがちだ。しかし、数値が変わることと、本当に健康になることは、必ずしも同じではないという。

【医師が教える】「健康のために機能性食品を食べている人」が注意すべきことPhoto: Adobe Stock

数値が下がっても、それが「元気に長生きできる」ことを意味するとは限らない

コレステロールの数値を下げる効果があると言われる食品や薬は多い。
しかし、数値を下げたとしても、心筋梗塞を起こす確率が変わらないなら、
その効果はどれほどの意味を持つのだろうか。
さらに、心筋梗塞のリスクを下げる一方で、
がんなどで早く亡くなる確率が上がるとすれば、
それは本当に望ましい結果とは言えない。

私たちが本当に知りたいのは、その食品や薬を摂り続けることで、
元気に長く生きられるのかどうかだ。
しかし、その答えを出すための研究には、大きな現実的な壁がある。

「長生きできるか」を調べることは、構造的に難しい

コレステロールの数値をいくら下げても、心筋梗塞をおこす確率が同じなら、ありがたくないし、たとえ心筋梗塞になる率を下げても、かえってがんなどで早死にする確率が上がれば、これは困ります。
本当に知りたいのは、それで元気に長生きできるのかということですよね。しかし50歳の人たちにその薬や食品を食べさせて寿命を調べようとすると、調査結果が出るのは今から約50年後になります。これはまったく現実的ではありません。
そこで、よく行われる研究方法は、数か月後にコレステロールの数値を調べるとか、数年後までに心筋梗塞になった人や亡くなった人の数を調べるなどの方法です。
薬の場合はゴールを綿密に検討して調べますが、食品の場合にはもっと簡易的に、たとえばコレステロールの数値だけを調べていることが多いようです。
もしこれから機能性食品を摂取する機会があれば、その効果は、単に短期的に数値を下げるだけなのか、それともその先の健康状態にまで影響をおよぼしているのかにまで考えをめぐらせてください。

50歳の人たちにある食品を食べさせ、寿命への影響を調べようとすると、
結果が出るのは約50年後になる。
現実的にそのような研究を行うことは難しく、
代わりによく用いられるのが、数か月後の数値の変化や、
数年以内に心筋梗塞や死亡に至った人の数を調べるという方法だ。

薬の研究では、何をゴールとして設定するかを綿密に検討したうえで調査が行われる。
一方、食品の場合はより簡易的な方法が取られることが多く、
コレステロールの数値だけを指標にしているケースも少なくないとされている。
数値が改善したという結果が示されていても、
それがその先の健康状態や寿命にまでどう影響するかは、
必ずしも明らかになっていないことがある。

「効果がある」という情報を、もう一歩深く読む習慣

機能性食品やサプリメントの広告では、
「コレステロール値を下げる」「血圧をサポートする」といった表現がよく使われる。
こうした表現は、短期的な数値の変化を根拠にしている場合が多く、
長期的な健康状態への影響が確認されているとは限らない。

何かを摂取する機会があるとき、
その効果が単に短期間の数値の変動にとどまるものなのか、
それとも長期的な健康への影響まで確認されているものなのかを、
意識的に問い直してみることが大切だ。
気になる食品や成分については、かかりつけ医に相談しながら判断することをお勧めしたい。

今日から試すなら、機能性食品の効果を見たとき、「何の数値が、どれくらいの期間で変わったのか」を一度確認してみることだけでいい。

(本記事は、書籍医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)