食事を減らし、運動も続けているのに、しばらくすると体重が元に戻ってしまう――その理由が、意志の弱さではなく、体の仕組みそのものにある可能性がある。

体重計 女性 Photo: Adobe Stock

体には「今の状態を維持しようとする」性質がある

人間の体には、そのときの状態を一定に保とうとする働きがある。
血糖値が上がれば下げようとし、下がれば上げようとする。
血圧や体温も同様で、大きく変動したとしても、
体はそれをある一定の値に戻そうとする力を持っている。

この性質は、体を安定した状態に保つために欠かせない仕組みだが、
ダイエットにおいては、この仕組みそのものが壁になることがある。
体重についても同じ原理が働いており、
ダイエットを始める前の体重を、体が「通常の状態」として覚えているためだ。

急激な体重減少に、体は「省エネモード」で対応する

そもそも人間の体にはそのときの状態を維持しようとする働きがあります。
たとえば、血糖値が上がれば下げようとしますし、下がれば上げようとします。
血圧や体温なども同様で、一定の値に保とうとします。体重も同様で、ダイエット開始前の恒常的な体重を体が覚えているので、急激に体重が減ると、減った体重を元に戻そうとする力が働きます。
具体的には、一時的な体重減少には代謝低下で対処します。
ホルモン分泌量などを変化させて消費カロリーを減らし、省エネモードに入るのです。
これがダイエットを継続しても、体重が元に戻ってしまう理由の1つです。

急激に体重が減ると、体はその変化を「異常な状態」として捉え、
元の体重に戻そうとする力を働かせる。
具体的には、代謝を低下させることで対処するという。
ホルモンの分泌量などを変化させ、消費カロリーを減らすことで、
いわゆる「省エネモード」に入るのだ。

この状態になると、ダイエット前と同じ量を食べていても、
体が消費するカロリーが少なくなっているため、
体重が戻りやすくなってしまう。
これが、食事制限を続けているにもかかわらず、
なかなか体重が落ちなくなったり、減った体重が戻ってしまう原因の一つだとされている。

「戻ってしまう」のは意志の問題だけではない

ダイエットを続けても体重が戻ってしまうと、
自分の意志が弱いせいだと感じてしまう人も多い。
しかし、こうした体の仕組みを知っておくことで、
体重が戻る現象を単なる「失敗」としてではなく、
体が持つ自然な反応として捉えることができるようになる。

急激な食事制限や短期間での大幅な体重減少は、
体の省エネモードを引き起こしやすく、
結果として長続きしにくいダイエットにつながりやすい。
体の仕組みを踏まえたうえで、どのようなペースや方法で取り組むかを考えることが大切だ。
具体的な方法については、持病のある方を含め、医師や栄養士に相談しながら進めることをお勧めしたい。

今日から試すなら、体重が戻ったとき、意志の問題ではなく体の仕組みによるものかもしれないと一度考えてみることだけでいい。

(本記事は、書籍医者が教える 栄養学的に正しい最高の食事術』をもとに作成しました。本記事は、医師による診断や治療の代わりとなるものではありません。健康状態に不安がある場合は、必ず専門の医療機関を受診し、医師の指示に従ってください。)