大いに期待してステアリングを握った。街中でのドライブフィールに大きな変化はなかった。20インチのタイヤ&ホイールは、格好はいいけれど、いささかオーバーサイズ。大きな輪っかを転がしているという印象が拭えない。加速は確かに伸びやかになり、リファインされていた。だが絶対的なパフォーマンスは驚くほどではない。旧FCA系のエンジンとはいえドキドキまではしない。モーターとのマッチング制御も微低速域では心もとなかった。
評価が一転したのはワインディングロード。ドライバーが積極的に運転を楽しめる領域に入ってからだ。ダイナミックモードをセレクトして走り出せば、アルファの世界が堪能できる。元来クイックな仕立てのステアリングフィールには、よりリニアリティある鋭さが加わった。ワイドトレッド化が効いているのだろう。従来の唐突さが消え、あくまでもドライバーの思いのとおりに、しかもレスポンスよくリズミカルにノーズが向きを変えていく。
日本のマーケットに向いている
もっと人気が出てもいいクルマ
パワートレーンの盛り上がりはやはり少し色気に欠ける。力もそこそこで、せっかくの大きなパドルシフターも宝の持ち腐れ。とはいえ、積極的な変速でそれなりに速さを演出することもできた。否、むしろ目を三角にして走らせるのではなく、カントリーロードを少し速めのペースで流すくらいが最もハンドリングを楽しむことができる。トナーレに本来の走りでアルファらしさを感じることができたのは大きな収穫だった。
そして、ひとたび好印象を持つとすべてがプラスに変換されていく。イタリア車好きの筆者の脳みそはそこまで複雑ではないということだろうが、内外装の改良もうれしいグレードアップに思えてくる。何より、トナーレの4520×1835×1600mmのサイズは日本のマーケットに向いている。もっと人気が出てもいいクルマだ。マイナーチェンジした新型はそのキッカケに十分なり得る。
改めてワイドトレッドの18インチ仕様も試してみたいと思った。受注生産のスプリントは、もう少しシンプルなイタリアン風味を味わうことができそうである。
(CAR and DRIVER編集部 報告/西川 淳 写真/横田康志朗)








