ハンガーフックの角度も配慮
静粛性を重視した空間に

 重視したのは静粛性だ。壁面に遮音効果のあるソフトマテリアル(クッション材)、防音性を高めた床構造を採用。備え付けのハンガーが揺れて音を立てないように、フックの角度まで気を配ったという。

 ただし、座席の向きは、7号車は博多方向、10号車は東京方向に固定されている。日本では進行方向と反対向きの座席は好まれない傾向にあるため、気になる人は往復で7号車と10号車を使い分ける必要がある。定員と価格が異なるだけに、どのように受け止められるかが気になるところだ。

スプリームクラス車内販売の限定商品スプリームクラス車内販売の限定商品(筆者撮影)

 なお、7号車の2人目の座席はリクライニングなどの機能を持たないソファタイプだ。2人用というよりは1+1という位置づけであり、例えば、エグゼクティブと秘書が利用するようなイメージで捉えたほうがいいだろう。

定員2人となる7号車の室内定員2人となる7号車の室内(筆者撮影)

 一方、半個室タイプのSeatは通路と座席を扉で仕切ってはいるが、前後の座席との壁はない。Cabinと同じ座席だがこちらは回転できるため、座席を向かい合わせて2人で利用することもできる。個室は必ずしも半個室の上位というわけではなく、用途に応じて使い分ける形だ。

 Seatの料金はまだ発表されていない。Seatは1席あたりグリーン車3~4席分のスペースを取るため、グリーン車の3倍以上の価格にしたいところだが、個室の価格が2~3倍であることを考えると、同等とは考えにくいので、東京~新大阪間で3万円程度(グリーン車の約1.5倍)になるのではないか。

 10月1日のサービス時点でCabinを設置するのは最新車両「N700S」の3次車15編成。東海道・山陽新幹線の全編成の1割に満たないため、運行本数は1日あたり12本程度にとどまる。車両の運用により「こだま」「ひかり」「のぞみ」のいずれにも設定される可能性があるが、「こだま」ではパーサーによるサービスは行われない。

 今後、N700Sの新車投入による車両更新と、導入済みの2次車19編成の改造工事で設置車両が拡大する。ただ、構造が異なる一部車両の改造は困難とのこと。また、JR東海は今後、車両の使用期間を延長する方針のため、全ての車両にスプリームクラスが設置されるのはかなり先のことになるだろう。