エヌビディアの開発者会議で展示された同社製品(2026年、カリフォルニア州サンノゼ)Photo: Jason Henry for WSJ
ウォール街は、人工知能(AI)インフラへの投資資金を調達するために歴史的なペースで借り入れを続けるテック企業に、あるメッセージを送っている。それは「頼むから、少しペースを落としてほしい」というものだ。
投資適格社債市場はこの数週間、半導体大手 エヌビディア 、宇宙企業 スペースX 、通販大手 アマゾン・ドット・コム による総額750億ドル(約12兆2000億円)の社債発行を吸収するのに苦労している。これは今年前半からの地合いの変化を物語る。投資家はこれまで、「AIハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)」と呼ばれる企業に対し、あらゆる手段で資金を提供することにおおむね前向きだった。
エヌビディアとスペースXは比較的低い利率で資金を調達できたものの、両社の新発債は流通市場で急速に値を下げ、こうした債券を転売することが多い投資家を失望させた。一方、アマゾンは社債発行を完了するために、同社からすると異例に高い利率に設定せざるを得なくなり、投資家がにわかに警戒感を強めている状況が浮き彫りとなった。
こうした投資家の多くは、借り手の信用力やAIインフラ整備の持続可能性を特に懸念しているわけではないと述べている。問題はむしろ、これらの企業が今後何年にもわたって半導体やデータセンターに巨額を投じ続けると、投資家が完全に織り込んでいることにある。その結果、数千億ドル規模の新発債が市場に流入した。
「まだまだ大量の発行が控えていることは誰もが承知しているため、いま全力で飛び付くことはためらわれるのだろう」。ボヤ・インベストメント・マネジメントの投資適格企業部門責任者、トラビス・キング氏はそう語る。「誰もが次の案件のために余力を残しておきたいと考えている」







