「遠回り」するタクシー運転手は内心、何を考えているのか?写真はイメージです Photo:PIXTA

タクシーに乗っていて「遠回りされているかも」と疑心暗鬼になったことがある人は多いだろう。こうした疑念に妥当性はあるのか。「わざと遠回りして運賃を稼ぐ」という手口を駆使するドライバーは、本当に存在するのか。現役タクシードライバーの筆者が実態を明かす。(現役タクシードライバー/物流ライター 二階堂運人)

※本記事は前後編の前編です。後編は以下からお読みいただけます。
>>「タクシーでモメる客」が無意識に言っている〈あるある地雷ワード〉

「完全に遠回りでしょ」
筆者が乗せたクレーマー客

 夜も更けた深夜3時ごろ、都内でも指折りの繫華街で若者を乗せた。しばらく走った後、後部座席でスマートフォンをいじりながら、その客がぽつりとつぶやく。

「えぐいな、この道から行く? 完全に遠回りでしょ」

 こうした場面は、タクシーの仕事をしていれば何度も経験する。SNSを見ても、「わざと遠回りされた」「目的地の直前で急にメーターが上がった」といった不満の声が一定数見受けられる。

 そこで今回は「遠回り説」の真偽を、利用者・ドライバー双方の目線から、できるだけ正直に検証していきたい。

 まずは、利用者による「遠回りされた」という主張の妥当性を見ていこう。利用者側の声として特に多いのが、「明らかに遠いルートを選択された」「同じ区間なのに、乗るたびに運賃が違う」といった不満だ。

 その背景には、「タクシー業界には、わざと遠回りして運賃を稼ぐドライバーがいる」という疑念があるようだ。「わざと遠回りして運賃を稼ぐ」という手口を駆使するドライバーは、現代にも存在するのか。それとも乗客側の誤解なのか――。