有名企業の元部長が50代転職で迷走→“面接官”が絶句した「あまりに想定外な返答」とは写真はイメージです Photo:PIXTA

ムダな会議、ムダな残業、ムダな気づかいに振り回されないためには、どうすればいいのか――。こんな悩みを解消するための具体的な技術を、元・日本マイクロソフト業務執行役員、澤円さんの著書『思考をアップデートする全技術』(アスコム)から一部抜粋して特別公開します。今回は「仕事でバリューを発揮し、相手の役に立つための考え方」について解説します。

ビジネスで
目の前の相手の役に立つには?

 相手の役に立つには「自分が最も価値を出せること=得意分野」をつくるべく、鍛錬することが大切になります。「自分の仕事の棚卸し」によって、速く終えられることや楽しくできることを見つける取り組みを、まずはしたほうがいいでしょう。

 自分に得意なものがないと「時間の貸し借り」がフェアではなくなり、いずれ機能しなくなります。一方的に他者の時間を奪うことになってしまうからです。

 では、どのように自分の得意分野をつくればいいのか?

 最近、知人である某社の人事担当者からこんな話を聞きました。50代のビジネスパーソンが早期退職をして、退職金をたっぷりもらいつつ転職活動をしようとしたそうです。

 ただ、それまで転職活動をしたこともないからやり方がまるでわからない。そこで知人が面接官になり、トレーニングとして模擬面接をしたそうです。

 知人が「どんなお仕事が得意でいらっしゃいますか?」と問いかけたところ、帰ってきた答えは、「部長職ができます」でした。あまりの想定外の返答に、知人はしばし絶句したそうです。ちなみに、トレーニングを受けた側の男性はかなり有名な企業の元部長だったそうです。

知人「部長職……というのは、具体的にはどんなお仕事を?」
男性「決済とかです」
知人「決済?」
男性「いや、稟議書にハンコを捺してですね……」

「それは機械でできますよね?」と、知人は言いかける寸前だったそうです。

 でも、本人にとってはそれが部長としての仕事だったのです。会社から役割を与えられ、特定のフォーマットで稟議書などを提出させて「ここが空欄のままになっている」「てにをはがおかしい」などとケチをつけて突き返すのが仕事だったわけです。

 まったく汎用性がない仕事なので、当然ながら50歳を過ぎたような年齢では転職先が決まるはずもありません。これは極端な話でも何でもなく、転職市場で実際によく起こることだそうです。

 こんなことにならないように、絶対に覚えてもらいたい大切なことがあります。