そこでもう少しステージに近づくべく、チェックしてもらったが、「なにを言ってるのか。ただでさえ危険なのに」と怒られた。「そりゃーそうだよね」とスタッフは猛反省したのを覚えている。ただこのカメラに拘った制作側の昭和の根性に技あり一本である。

観察力と思いやりにあふれた
マイケルの人間性

 マイケルのジャパン・ツアー'87は、以下のようにコンサート会場を移しながら続いていった。

9月12日、13日、14日 後楽園球場
9月19日、20日、21日 阪急西宮球場
9月25日、26日、27日、10月3日、4日 横浜スタジアム
10月10日、11日、12日 大阪球場

『マイケル・ジャクソン来日秘話』書影マイケル・ジャクソン来日秘話』(白井荘也、DU BOOKS)

 歌っている最中、マイケルは意外にも観客をよーく見ている。その証拠に、初日の終演後「真ん中の席の人が着ていたTシャツが欲しい」と言いだした。

 なんとそれは、わが社が作ったノベルティ商品だった。喜んでプレゼントしたのはいうまでもない。

 ホテルの部屋では、新聞やテレビをよく見ていた。

 ある日突然泣きながら通訳の部屋に電話をかけてきた。功明ちゃん誘拐殺人事件を知り、いたく胸を痛めていたのである。こうしてあの、誘拐されて帰らぬ人となった功明ちゃんへのメッセージ(9月21日の阪急西宮公演)となった。

 また、通訳のパトリックから聞いた話だが、大阪行きの新幹線のなかで、乗客からのリクエストに応じて、その乗客の子どもを彼の席へ連れて行くとマイケルは抱きかかえて、「元気に育つんだよ」とサインやキスのサービスをした。