悪気はないのに「感じ悪い」と思われる人の決定的な特徴〈風、薫る第78回〉『風、薫る』第78回より 写真提供:NHK

今日の朝ドラ見た? 日常の話題のひとつに最適な朝ドラに関する著書を2冊出版し、毎日レビューを続けて12年めの著者による「読んだらもっと朝ドラが見たくなる」「誰かと話したくなる」連載です。本日は第78回(2026年7月15日放送)「風、薫る」レビューです。(ライター 木俣 冬)

新天地でご近所あるあるの洗礼

 りん(見上愛)が新天地・新潟に到着。風呂敷の斜めがけは現代のボディバッグみたいだ。昔の道具の機能美を感じる。

 長い道を、りんが歩いていく。まさか歩いて新潟へ?

 ようやくにぎわっている街に着いた。歩いてきた女性に道を聞く。その女性は横澤夏子が演じている。りんの髪形(洋髪)を褒めるが、内心良く思っていないような顔をしている。

 通りでは演説会のお知らせが配られている。そこには「金持ち優遇反対、選挙権をよこせ」と書いてある。この時代、新潟は自由民権運動が盛んであった。

 横澤夏子(演じる女性)はその紙を雑にはねつける。「そりゃそうだな」と配っている人は言う。横澤夏子が演じている人は見るからにお金持ちふうであった。

 主題歌がはじまり、新潟編の新たな登場人物たちの名前がクレジットされている。井上祐貴、磯山さやか、関智一、河村ここあ、横澤夏子……。横澤が演じているのは羽田テツという名前なのがわかる。

 そしてやって来たのは高越女学校生徒寮。出迎えた女生徒・久(近藤華)もまた、りんの洋髪に注目する。

 望月校長(関智一)は、捨松(多部未華子)から聞いたりんのプロフィールを完全把握していた。

「一ノ瀬りん 24歳。栃木県出身の元家老の娘で、母は藩主の親戚筋。妹あり。婚姻歴あり。娘1人。梅岡看護婦養成所にて学び、帝都医大病院にて外科看護婦取締として勤務。英語堪能。漢学にも通ずる。特技、薙刀、折り紙。幼少期より心身健康で大病なし」

 これで改めてりんの設定が復習できた。

 校長は、到着早々、この一帯の大地主・羽田家の奥さんに洋髪を自慢したことを咎める。自慢なんてしていないが、そういうふうにすでにこの一帯では広まったのだろう。奥様の方から髪の話題に触れてきたのに、奥様の機嫌を損ねたという事実だけが独り歩きする。コミュニティあるあるだ。