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業務スキルや知識のアップデートに励み、職場では身内と仲良く日々の仕事をこなしている人がいる。しかし実はその裏で、スキル磨き以上に重要な「ある決定的な差」を広げられているかもしれない。17万人の行動データが解き明かす、厳しい組織で最後まで生き残る人が大事にしている習慣とは? (構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
身内だけで固まって「安心感に浸る」人たちの末路
自分の専門スキルを磨き、業務知識をひたすら詰め込む。
気兼ねなく愚痴を言える同期や、いつものメンバーだけで固定されたランチや雑談を繰り返し、居心地の良い環境の中で過ごす。
そうして「自分の仕事だけを真面目にこなしていれば、組織は必要としてくれる」と自分に言い聞かせている人は多い。
だが、その働き方こそが、知らぬ間に組織での自分の価値を削ぎ落としている原因になっている。
部署の枠組みに固執してしまうため、他部署との連携や業務のボトルネックに気づくことができず、組織の構造的な問題に対処できない。
その結果、どれほど知識やスキルがあっても「現場の小さな作業はできるが、組織全体を動かす調整力がない」と評価され、他の人やAIに取って代わられてしまうのである。
組織で生き残る人が大事にしていること
では、組織で生き残る人はどうしているのだろう。
彼らが大事にしているのは、「スキル」でも「知識」でもない。
「部署を超えた人間関係」だ。
ビジネスパーソン17万人の行動記録と評価データを分析したところ、組織から将来を期待されている人たちには、ある共通点が見えてきた。
AIによる分析では、期待されている人の81%は月に1回以上、他部署の人とランチをしているとわかりました。
一方で一般社員の69%が、同じメンバーとばかりランチをしていると答えました。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
しかも、あえて「誘いにくい相手」を積極的に誘っているようだ。
意外なことに期待されている人たちは、意識的に「誘いにくい相手」を選んでいました。普段あまり話したことがない人、立場が上の人、接点が少ない部署の人などです。
心理学の選択的承認の理論によれば、誰かに指名されることは自己効力感を高め、その相手に好意を持ちやすくなると言われています。つまり、ランチに誘うだけで関係構築の効果が働くのです。
ある金融機関でトップセールスであった30代女性のエピソードが象徴的でした。彼女は経理部の同僚をランチに誘いました。最初の2回は沈黙が多く「誘ったのは失敗かも」と後悔したそうです。しかし3回目のランチで「決算期に営業がこういう資料を添付してくれると助かる」と意見を聞けたのです。
その意見を実行したところ、承認リードタイムが平均24%短縮。上司から「調整力のある人」と高評価を受け、半年後には昇進候補に挙がりました。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
自分の殻の中に閉じこもり、身内だけで慰め合いながら個人の知識やスキルだけに固執している人に、厳しい組織を生き残る強さは育まれない。
「他部署との交流なんて面倒でメリットがない」と関わりを拒絶する人ほど、組織が変化したときやトラブルが起きたときに孤立し、淘汰されていくという残酷な壁にぶち当たってしまうのだ。
あえて普段話さない他部署の人へ手を伸ばし、自ら異なる世界と繋がりを作っていける人。
そんな人だけが、どのような環境の変化であっても組織の中で圧倒的に必要とされ、長く生き残っていけるのである。
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。








