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メンバーのスキルや業務量を見て、効率よくタスクを振り分ける。いっけんリーダーの正しい振る舞いのように思えるが、じつはこの行為こそが、チームの効率を下げる最大の罠だった。17万人のデータが解き明かした、一流のリーダーが仕事を任せる際に「絶対に言わない言葉」とは?(構成/ダイヤモンド社・石井一穂)
仕事を振るときに「やってはいけない」こと
新しいタスクが発生した際、メンバーのスキルや現在の業務量を考慮した上で、最も合理的だと思われる部下に業務を命じる。
そうして効率よくタスクをさばき、チームの業務を円滑に回そうとする。
業務量も公平になるため、この方法が正解だと信じているリーダーは多い。
だが、この手法こそが、チームのやる気を削ぎ、結果的にリーダー自身の首を絞める罠になっている。
上から指名されたタスクに対して、部下は「やらされている」という受動的な意識しか持てなくなるからだ。
その結果、仕事の期限が遅れがちになり、成果のクオリティも低下。
「言われたことしかやらない指示待ち集団」を作り上げてしまい、最終的にすべてのフォローをリーダー自身が抱え込むことになる。
「一流のリーダー」が仕事を任せるときに口にする言葉
では、「一流のリーダー」たちは、どのようにして仕事を任せているのだろう。
17万人の行動記録と評価データを分析したところ、ある事実が見えてきた。
優秀なリーダーたちは、「誰がやりたい?」と問いかけ、メンバーの主体性に働きかけていたのだ。
218社のチームミーティング3,875時間を分析すると、期待されているリーダーの38%が、仕事を割り振る際に「誰がやりたい?」と投げかけているとわかりました。これは一般リーダーにおける比率の1.4倍です。
さらに明らかになったのが、期限を守る比率との相関関係です。自発的に手を挙げた業務は、指名された業務と比べて期限遵守率が1.3倍も高かったのです。
同じ仕事でも、「やらされる」と「やりたい」では、成果がまったく違っていました。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
「やりたい人は?なんて聞いても、手が挙がらないのではないか。
そう不安に思うかもしれない。
しかし、それであっても、まずは「誰がやりたい?」と問いかけるのだ。
たった一言の問いかけが、リーダーの負担も軽くする
このたった一言、問いかけの言葉を変えるだけでメンバーの意欲が波及し、結果としてリーダー自身の負担が激減するという圧倒的な効果が実証されている。
リーダー267名に「誰がやる?」を「誰がやりたい?」に変える習慣を実践してもらったところ、74%が「自分のタスクが減った」と回答しました。
「メンバーのやる気が見えるようになったので、サポートしやすくなった」という声も多く聞かれました。
(越川慎司著『815社17万人を分析してわかった 会社から期待されている人の習慣115』より)
上からの指名で強制的に仕事を振り分けるやり方では、いつまで経ってもチームは自走しない。
「自分がすべて割り振って管理しなければならない」と固執するリーダーほど、部下の失速と自分自身の業務過多に苦しみ続けるのだ。
「誰がやる?」を封印し、「誰がやりたい?」と投げかけて部下の当事者意識に火をつける。
自発的に手を挙げる環境を作り出し、動機付けから任せられる人こそが、チーム全体の生産性を飛躍させ、「一流のリーダー」として圧倒的な信頼と成果を手にし続けるのである。
株式会社クロスリバー 代表取締役社長
日系通信会社や外資ベンチャーなどを経て2005年にマイクロソフト米国本社へ入社。その後、日本マイクロソフトの役員としてExcelやPowerPointなどの事業責任者を務める。2017年には週休3日・複業を実践する会社、株式会社クロスリバーを設立し、800社以上の働き方改革を支援。年300回以上提供する企業向けオンライン講座の受講者満足度は平均96%、行動に移す受講者は95%以上。著書は『世界の一流は「休日」に何をしているのか』(クロスメディア・パブリッシング)や、『AI分析でわかった トップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)など33冊、累計130万部。NHK、TBS、テレビ東京、PIVOT、NewsPicksやReHacQなどメディア出演多数。








