「もっと改善したほうがいいのに」「誰も意見を言わなくなった」――そんな職場に心当たりはないだろうか。実は、部下が提案しなくなる原因は、部下の主体性ではなく、上司の何気ない返し方にあることも少なくない。では、部下が安心してアイデアを出せる職場をつくるには、リーダーはどのように対応すればよいのだろうか。話題の書『リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、そのポイントを解説する。
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「提案」をしたら損になる職場
会社のためを思って提案したのに、「じゃあ、君がやっておいて」と丸投げされた経験はありませんか?
私自身、会社員時代に何度か経験しました。
業務の効率化につながる提案をしたところ、上司から「いいかもね。じゃ本田くんやっておいて」と面倒くさそうに言われたんです。
「提案しただけなのに、なぜ実行まで……」と思いながら、本来の業務に加えて新しい仕事を抱えることになりました。
その結果、周りでも「どうせ自分の仕事になるから」と提案を控える人が増え、職場全体から改善の声が消えていったんです。
「自分の仕事」がわからなくなる
この「提案者=実行者」の構図は、職場に深刻な問題を生み出します。
部下の役割が曖昧になり、「いったい何が自分の本来の仕事なのか」がわからなくなってしまう。
役割分担が曖昧な職場では押し付け合いも起きやすく、人間関係のトラブルにもつながります。
そして最も深刻なのは、部下が提案をしなくなること。
「どうせ提案したら、自分がやることになる」という心理が働いて、職場から建設的な意見が消えてしまうんです。
「提案」と「実行」を分離する
悪循環を断ち切るために最も重要なのは、「提案」と「実行」を明確に分離することです。
部下から改善提案があったとき、こんなふうに対応してみてください。
「それはいいアイデアだね。実行体制をチーム全体で検討してみよう」
こうした一言で、部下に「提案したら自分がやることになる」という不安を与えずに済みます。
また、「何かアイデアがあったら気軽に教えて。実行は別途検討するから」と日頃から伝えておくだけで、部下は安心して提案できるようになります。
部下の貴重なアイデアを活かしながら、本来の役割も守る。
その両立が、リーダーの腕の見せどころです。
(本稿は、『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の発売を記念したオリジナル記事です)








