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テストは、受けた本人の学力を測るためのもの――多くの人はそう考えるだろう。ところが大阪府の「チャレンジテスト」は、生徒の学力を測るだけでなく、高校入試の内申点が妥当に評価されているかを判断する資料としても活用されている。1つのテストに複数の役割を持たせる、こうした運用に問題はないのだろうか。教育測定学の視点から検証する。※本稿は、教育測定学者の『テストと学力 何を測るのか、どう測るのか』(岩波書店)の一部を抜粋・編集したものです。
私立・不登校のデータが抜け落ち
「学力」の定義も曖昧なまま
日本で行われている「学力調査」は全国学力・学習状況調査や都道府県・市町村単位で実施されている学力調査など多岐にわたるが、学力を測定するという目的に照らすと制度設計が不十分である点が指摘できる。主な点を以下に挙げる。
一点目は、調査対象者と調査計画についてである。近年の日本では、多様な学びの形が許容されつつある。一方で、日本にルーツをもたない保護者の子どもが、不自由な日本語のもとで小中学校に通わざるを得ない現状が指摘されて久しい。不登校に対応するための「学びの多様化学校」の取り組みに代表されるように、学校での学びは「一斉形式の授業を同じ部屋のなかで行うもの」という常識が揺らいでいる。
全国学力・学習状況調査は公立と少数の私立の学校を調査対象としているが、多くの私立学校に在籍する児童生徒や、不登校の児童生徒のデータは観測されていない。データに「欠測」が生じている現在の調査結果からは、日本の義務教育全体における学力レベルの本質的な議論ができないと言わざるを得ない。







