大阪府のチャレンジテストは
複数の目的を抱え込む
学力調査の活用方法という視点で見たとき、「1つの調査やテストの目的は1つに限る」というルールを犯している調査(テスト)がしばしば見受けられる。1つの例として、大阪府が2015年から中学校生徒を対象として行っている「チャレンジテスト」を取り上げる。
同テストの実施要領では、以下のような「目的」を掲げている。
(1)大阪府教育委員会が、府内における生徒の学力を把握・分析することにより、大阪の生徒の課題の改善に向けた教育施策及び教育の成果と課題を検証し、その改善を図る。
加えて、テスト結果を活用し、大阪府公立高等学校入学者選抜における評定の公平性の担保に資する資料を作成し、市町村教育委員会及び学校に提供する。
(2)市町村教育委員会や学校が、府内全体の状況との関係において、生徒の課題改善に向けた教育施策及び教育の成果と課題を検証し、その改善を図るとともに、そのような取組みを通じて、学力向上のためのPDCAサイクル(編集部注/Plan、Do、Check、Actionの4ステップを螺旋状に繰り返し、生産性向上を図る手法)を確立する。
(3)学校が、生徒の学力を把握し、生徒への教育指導の改善を図る。
(4)生徒一人ひとりが、自らの学習到達状況を正しく理解することにより、自らの学力に目標を持ち、また、その向上への意欲を高める。
学力調査の結果が
高校入試に関わる資料になる
これらの目的から、「チャレンジテスト」は明らかに「学力調査」を志向していることがわかる。特に(1)や(2)で記された学力の把握や分析、生徒の課題改善につなげるためのPDCAサイクルといった文言や(3)の文からは、この調査が形成的評価を目的としていることが読み取れる。また(4)については、生徒に対する診断的評価を行うことが見て取れる。
これらはいずれも、学力調査として「どのような学習環境を整えていくべきか、どのような学びを目指すべきか」が設計されていることを表している。







