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インターネットやGPS、さらには新型コロナウイルスのワクチン開発……我々の生活を一変させたこれらの技術革新の影には「ペンタゴンの頭脳」と呼ばれる米国防総省の機関、DARPA(国防高等研究計画局)の存在があります。失敗を恐れず自由な発想で革新を進める「ワープスピード」の米国に対し、日本は世界に先駆けた「八木アンテナ」を生み出しながらも、身内の縦割りや事なかれ主義でその真価を見抜けず、結果として「技術立国」の強みを自ら手放してしまいました。過去の痛ましい教訓から、国家の技術力と防衛のあり方を再考します。※※本稿は、桜林美佐『軍産複合体:自衛隊と防衛産業のリアル』(新潮社)の一部を抜粋・編集したものです。
あらゆる技術開発をカバーする「ペンタゴンの頭脳」
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米国では国防総省の中に国防高等研究計画局(Defense Advanced Research Projects Agency = DARPA)があります。これは軍事関連の技術開発を国全体で強化し、スピン・オフさせて民生分野に広げていく取り組みを担う組織です。インターネットもGPSもこのDARPAから生まれたとされます。「ペンタゴンの頭脳」の異名を取るにふさわしい軍事への貢献のみならず、産業や生活への恩恵も大きいのです。
DARPAは国防総省の組織ではあっても大統領と国防長官の直轄組織となっていて、国防総省から細かい干渉を受けないのも大きな特徴です。そのため、将来の必要性を見据えるという名目で、自由な発想での研究に資金が投じられているといいます。リターンがなくても協力を得られるため、研究者たちがのびのびと研究に打ち込める環境なのです。
新型コロナに対するワクチン開発でも米国が速やかに行えたのは、このDARPAが以前からワクチン研究を行っている大学やベンチャー企業を支援していたことが大きかったといいます。トランプ政権の大号令で着手されたワクチン開発プロジェクト「ワープ・スピード作戦」は官民共同により急ピッチで進められ、そこにはDARPAがなくてはならない存在だったのです。言うまでもなく、ワクチン開発は生物化学兵器対策であり「デュアルユース」という位置づけです。
他にも米国には軍と民間技術を繋ぐ色々な機関があります。中でも注目されているのは2015年にシリコンバレーで設立された「国防イノベーションユニット(Defense Innovation Unit = DIU)」です。







