「炭火」「提供まで時間がかかった」「メニューが鰻中心でシンプル」といった記述です。
鰻を注文後に割くところから始めれば、どんなに急いでも最低30分はかかります。したがって「1時間待った」という口コミは、急いでいる人には欠点でも、丁寧な仕事を期待する人にはプラス材料です。
反対に、関東風の店で注文から5~10分ほどで出てくる場合は、あらかじめ蒸すところまで済ませ、最後に温め直している可能性があります。都内などはこうした店が多い傾向があるので、本当においしい鰻を食べたい人は要注意です。
――メニューや店の知名度も判断材料になりますか。
鰻料理に絞った店は、技術と商品への自信がある傾向があります。特に一尾を使い切るシンプルな構成なら、残った半身を置いておく時間が生じにくく、「割きたて」に近い状態を保ちやすい。
一方、半身や一・五尾など多くの量目をそろえる店では、残りの身を次の注文に回す可能性もあり、扱い方によっては乾燥につながります。
また、「老舗」「有名店」「継ぎ足しのタレ」「国産」「ブランド鰻」「高価格」といった看板だけで判断するのは危険です。
産地を明示する店は素材へのこだわりを持つ可能性がありますが、国産なら必ずおいしく、中国産ならハズレという単純な話でもありません。最近では中国産も品質が向上していますし、中国産も国産と同じ品種の「ニホンウナギ」がほとんどなのです。素材以上に、店が鰻をどう扱うかが重要です。
混んでいる店は、蒲焼をタレにくぐらせる回数が多いため、鰻の脂やうまみが加わり、タレにコクが出やすい面があります。ただし、一部の有名店では回転を優先し、短時間で出すケースもある。混雑や知名度も、それだけでは決め手になりません。
――店の広さも、職人のこだわりを見抜く材料になりますか。
1つの目安にはなると思います。席数の多い大きな店では、多くの注文をさばかなければならず、調理場も客席から見えない奥に置かれていることが多い。小さな店の方が、職人の仕事が見えやすく、一つひとつの注文に時間をかけて向き合いやすいとは考えられます。
ただし、大きな店でもおいしい鰻を出すところはあります。店の広さだけで判断するのは難しいので、調理場が見えるか、注文後に割いているか、提供までどれくらい時間をかけているか、メニューが鰻料理に絞られているか、といった要素と合わせて見るのがいいでしょう。
店先が整理されているか、写真に艶があるか、待ち時間をかけているか、メニューが絞られているか。複数のサインを重ねて見ることが、ハズレを避ける近道です。







