人生は、ときに「出会い」や「習慣」をきっかけに、大きく変わることがある。話題の書籍『人生アップデート大全――停滞した自分を変える66の習慣』(池田貴将著)には、人生を飛躍的にアップデートするためのヒントが数多く紹介されている。今回は、本書の内容をもとに、ライター・柴田賢三氏が、自身の新人時代を振り返りながら、今につながる忘れられない経験を寄稿していただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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新人時代、私が書き上げた原稿をビリビリに破った「師匠」
私が20代の新人記者時代、取材のやり方や原稿の書き方を教えてくれた「師匠」がいた。
全国紙の元幹部でロシア語がペラペラ。当時70代だったが身長は180センチ以上あり、いつも長めの白髪をかき上げているダンディーな人だった。
師匠は厳しく、私が〆切ギリギリに書き上げた原稿でも、ダメなときはビリビリに破いてゴミ箱に突っ込み、「やり直し」しか言わない。
当時は手書きだったので「コピーを取っておけばよかった」と泣きながら後悔し、何度もダメ出しをされた。
「メンターの存在」が人生を飛躍的にアップデートしてくれる
停滞した自分を変える指南書『人生アップデート大全』の中には、「メンター=頼れる存在」の重要性を気づかせてくれる一文がある。
――『人生アップデート大全』より
著者の池田貴将氏は、メタのマーク・ザッカーバーグとスティーブ・ジョブス、NBAのコービー・ブライアントとマイケル・ジョーダンなどの例を挙げて、「成功した人たちの影には、成功しているメンターがいる」と解説。
私は成功していないが、50代になった今でもライターとして仕事はできている。
師匠はとても厳しかったし、つらいこともたくさんあった。
それでも、私の書く力を徹底的に底上げしてくれたのは師匠のおかげだ。
「師匠」は読み終わった本を何度もくれた。その理由とは?
師匠は、いつも自分が読み終わった本を私に譲ってくれた。
ミステリーやノンフィクション、歴史ものから人情ものの小説まで、ジャンルはバラバラ。しかも、自分が読んだ感想も言わず、帰り際に私の机の上にボンッと投げ捨てていくのだ。
記者になりたてだった私は休みもなく現場に投入され続けていたため、本を読む時間すらとれない状況だったが、師匠からいただいた本だけは通勤の合間などに無理をしてでも読んでいた。
「いつか感想を求められるかもしれない」
そう思って読んでいたが、師匠は一度も私に本の感想は求めてこない。あるとき酒場でそのことを聞くと、こんな答えが返ってきた。
「人間は本を読まないとダメになる。原稿を書く記者はなおさらだが、忙しいという理由をつけて読まなくなる。だけど、俺から渡された本は無理してでも読むだろ」
人だけでなく、「本」もメンターになる
本書では、実は「本」も、メンターの役割を果たすことを示してくれている。
師匠が渡してくれた本の中に書かれていたことが、原稿のヒントになったり、生きる支えになったりしたことも無数にある。
やはり、人生にはメンターと、迷ったときに頼れる本が必要なのだ。











