どうすればお金をかけずに、売上や利益をもっと増やせるのか? この切実なお悩みに答えるのが、人気の販促コンサルタント・岡本達彦氏の最新刊『客単価アップ大事典 「つい買ってしまう」販促の仕掛け75』(ダイヤモンド社刊)です。同書は、「行動経済学×現場目線」で「つい買いたくなる」販促の仕掛けとは何かを言語化した初の書。本書が提示するのは、「お客様の購買行動そのものを変える設計とは?」です。どうすれば、「利益が残る経営」へと変われるのか? 本連載では、『客単価アップ大事典』に収録しきれなかった事例の中から、現場ですぐに導入でき、成果につながりやすい客単価アップの仕掛けを厳選してご紹介していきます。
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「選ばせてもらえた」という体験が、
上位モデルを選ぶ理由になる
楽器店で初めてギターやピアノを選ぶとき、店員がすぐに一つの商品を勧めるのではなく、「まずはいくつか弾いてみてください」と複数のモデルを試させてくれることがあります。
最初は安価な入門モデルで十分だと思っていても、実際に弾き比べてみると、「この音が好き」「こっちのほうが弾きやすい」と感じることがあります。
その結果、自分なりに選んだモデルが、当初の予算より少し高い商品になることもあります。
この「弾き比べを促す接客」は、単に親切な対応というだけではありません。
お客様自身に「自分の感覚で選んだ」という体験をしてもらうことで、価格だけでなく、好みや納得感を基準に選んでもらいやすくする接客設計と考えられます。
「自分で選んだ」という感覚が、
価格への抵抗を弱める
店員から一方的に「このモデルがおすすめです」と勧められると、お客様の中には「売り込まれている」と感じる人もいます。
一方で、複数のモデルを実際に試し、自分の感覚で「これが良い」と判断した場合、その選択は「店員に選ばされたもの」ではなく、「自分で選んだもの」として受け止められます。
人は、自分で決めたことには納得しやすいものです。
そのため、多少価格が高くても、「自分にとって一番良い音を選んだ」「自分が弾きやすいものを選んだ」という満足感が、価格への抵抗を弱めることがあります。
「比較した記憶」が、
安いモデルを物足りなく感じさせる
もう一つの理由は、複数のモデルを比較することで、価格帯ごとの違いを体感しやすくなることです。
入門モデルだけを単体で試していれば「これで十分」と感じられたかもしれません。
しかし、中位モデルや上位モデルと弾き比べることで、音の響き、弾き心地、持ったときの質感などの違いが意識されやすくなります。
一度、より良い音や弾き心地を体験すると、最初に検討していた安価なモデルが少し物足りなく感じられることがあります。
このような比較体験が、当初の予算より一段階上のモデルを選ぶ納得材料になるのです。
他のお店でも使える「比較体験から選ばせる」設計
・寝具店
硬さや素材の違うマットレスを複数試してもらい、自分の感覚で選んでもらうことで、上位グレードへの納得感を高める
・自転車専門店
異なる価格帯のモデルを試乗してもらい、走行感の違いを体感してもらうことで、上位モデルを検討しやすくする
・腕時計専門店
複数の価格帯のモデルを実際に着用してもらい、重さや質感の違いを比較してもらうことで、高価格帯への抵抗を弱める
まとめ
楽器店で初心者に複数のモデルを弾き比べてもらうことがあるのは、単に商品を試してもらうためだけではありません。
・「自分で選んだ」という納得感が、価格への抵抗を弱める
・比較体験によって、安価なモデルと上位モデルの違いを体感しやすくなる
・店員の説得ではなく、お客様自身の感覚を通じて、自然に上位モデルを選びやすくする
という、売り込まずに客単価を引き上げるための接客設計なのです。
販促コンサルタント
現場目線ですぐ使えるマーケティングを伝える第一人者。
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、むずかしいマーケティングや心理学を使わず、
アンケートやマンダラ等を活用して、誰でも売れる広告を作れる手法を体系化する。
業界を問わず即効性が高く、お金をかけずに売上を上げられることから、全国の商工会議所・経済団体などからセミナー依頼が殺到する。
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他の著書に、『お客様に聞くだけで「売れない」が「売れる」に変わるたった1つの質問』
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